人工呼吸器の構造

人工呼吸器の構造

人工呼吸器は、『駆動源接続部、人工呼吸器本体、呼吸回路』の3つから構成されます。それぞれについてもう少し詳しく紹介します。

1.駆動源接続部

人工呼吸器の駆動源接続部とは、医療ガス配管末端から、酸素および空気を人工呼吸器本体に取り入れるための、接続部です。接続部は、『酸素』『空気』があり、誤接続防止のために、ピン方式または、シュレーダ方式の安全対策がされています。また、駆動源接続部の色は、酸素が緑色、空気が黄色と定められています。

誤接続防止機能についてもう少し詳しく紹介します。

ピン方式

ピン方式とは、人工呼吸器の駆動源接続部に、酸素と空気では異なる突起が儲けらており、医療ガス配管末端に、誤った組み合わせでは接続できないようになっています。

ピン方式

(http://www.dr-tvtan.jp/blog/2012/06/30.html)

ガスの種類により、突起の形状が異なります。

酸素 亜酸化窒素 医療用空気 吸引
角度 180 135 120 90
ピン数 2 2 3 2
 酸素  亜酸化窒素  空気  吸引

シュレーダ方式

シュレーダ方式とは、配管の接続部のサイズをガスの種類により異なるサイズにしておくことにより、誤接続を防ぐ方式です。病院内では、あまり使用されていません。

シュレーダ方式

(医療機器センターHPより追記して引用)

補足

医療配管ガス末端から供給される酸素の圧力は、医療用空気や亜酸化窒素よりも僅かに高い圧力(29.4kPa程高い)で供給されるように作られています。これは、他のガスが酸素ガスに混入すのを防ぐためです。

 

2.人工呼吸器本体

人工呼吸器本体では、酸素と空気の量を調整して、酸素濃度を調整したり、呼吸モードを制御したりなど中心的な役割を補います。

 

3.呼吸回路

回路図バクトキャッチャ添付文書より

呼吸回路

呼吸回路の構成は、メーカーにより少々異なりますが、以下の機器で構成されています。

バクテリアフィルタ

バクテリアフィルタは、空気中のウイルスや細菌の混入を防ぐフィルタです。吸気側の入口や呼気側に装着しますが、一般的には、患者の呼気により人工呼吸器が汚染されないために、呼気側に装着されることが多いです。交換の頻度は、商品により異なります。

上記の呼吸回路図で、本品と記載されているものです。

加温加湿器

加温加湿器は、患者に送気する空気を温めたり、加湿するための装置です。挿管の場合は、気道内の温度と同様の37度程度に加温します。NPPVでは、加温しすぎるとマスク内に結露が増えるので挿管時よりは、やや低い温度まで(34~35度)に加温します。

加温加湿器

東機貿HPより

 

人工鼻

人工鼻は、加温加湿器と同様に、空気を加湿する部品です。注意しなければならないのは、加温加湿器と人工鼻は併用できません。併用すると、人工鼻が過度に吸湿されて回路内の抵抗増加や、人工鼻が閉塞する危険性があります。

人工鼻
(東機貿HPより)

呼吸回路(ホース)

呼吸回路は、空気を流すための通り道です。熱線が挿入されており、呼吸回路をあたためて結露を防ぐ呼吸回路もあります。

ウォータートラップ

ウォータートラップは、呼吸回路内にたまった水分を貯める部分です。この中にたまった水分が誤って患者に入らないように、患者の口元より低い位置に設定しておくことが大切です。

たまった水分は定期的に、破棄します。

 


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