肺の喚起に影響を及ぼす因子は、『PAO2、拡散、喚起血流比、シャント』があります。
今回は、その中でシャントについて説明します。
シャントとは?
シャント(shunt)というのは日本語訳で『短絡』という意味があります。
医学の分野でのシャントというのは、血液が本来通るべき血管と別のルートを流れる状態を表します。
肺でのシャントは、ガス交換をすることができる肺胞を通過しない血流のことです。

このように、いろんな種類のシャントがあります。それぞれについて、以下詳しく説明します。
シャントの種類
シャントの種類は4つあります。試験にもよく出るのでそれぞれの違いをしっかり理解しておきましょう。
真性シャント
真性シャントは、喚起が全くない肺胞を流れる血流のことを言います。
無気肺など、V/Q比が0の血流のことです。

シャント様効果
シャント様効果は、喚起が少ない肺胞を流れる血流のことを言います。V/Q比<0.8 の血流のことです。
「肺底部の血流」や「病変して換気量が低下した肺胞」を流れる血流が該当します。

肺底部の血流は、喚起血流比の不均等により常に V/Q比<0.8 となります。詳しくは、(喚起血流比)を参照ください。また、病変した肺胞は拡散能力や換気量が低下します。
解剖学的シャント
解剖学的シャントは、ガス交換に関与しないで左心系に戻ってくる血流です。
「テベシアン静脈」や「気管支静脈」など1~2%の血流がそれに該当します。
生理学的シャント
生理学シャントは、「真性シャント、シャント様効果、解剖学的シャント」をすべて合わせたシャントのことです。
まとめ
- シャントとは、十分にガス交換ができていない血流のこと。
- 真性シャント、シャント様効果、解剖学的シャントを合わせて生理学的シャントという。
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