呼吸抵抗の検査には、気道抵抗と呼吸抵抗を測定する検査があります。それぞれの意味と測定方法について紹介します。
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呼吸抵抗とは
呼吸抵抗とは、呼吸を妨げる要因をいいます。肺のどの部分でどのような抵抗がかかるかを説明します。

呼吸抵抗の説明図
①胸郭の抵抗(C)
胸郭の抵抗は、吸気時には外肋間筋が収縮して胸郭が広がります。その広がった胸郭を元に戻そうとする力が胸郭の抵抗です。
②肺組織の抵抗(B)
肺胞は、風船のように弾力性があります。この弾力により膨らむのを防ごうとする力が肺組織の抵抗です。
③気道抵抗(O-A間)
気道のような筒を空気が流れるときには、粘性抵抗というものが発生します。これは、空気の分子同士がぶつかり合ったり、空気の分子が気道の壁にぶつかったりして流れにくくなる力のことです。
気道抵抗の測定
気道抵抗は、ボディプレチスモグラフィにより測定します。健康成人の気道抵抗は、0.6~2.4cmH₂O/L/secです。
気管支喘息やCOPDなど気道が閉塞する疾患で増加します。
呼吸抵抗の測定
呼吸抵抗は、オッシレーション法により測定します。これは、口の中に圧波を送り込み、口に入ってくる気流量と口腔内圧の関係より計算する方法です。
呼吸抵抗は、閉塞性肺疾患で上昇します。
呼吸抵抗のまとめ
- 呼吸抵抗は、胸郭抵抗、肺粘性抵抗(肺組織抵抗、気道抵抗)を合わせたもの。
- 気道抵抗は、ボディプレチスモグラフィにより測定する。正常値は0.6~2.4cmH₂O/L/sec
- 呼吸抵抗は、オッシレーション法により測定する。閉塞性肺疾患で上昇する。
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