『呼吸不全になる疾患』の特徴と治療法について

医者と患者

出題傾向

呼吸療法認定士の試験に出題される呼吸器の疾患は、ごく限られており『ARDS、間質性肺炎、陳旧性肺結核、肺炎の分類、OPD、喘息』がよく出題されます。

これらの疾患について治療法と特徴が試験に出るのでポイントを抑える必要があります。以下に、呼吸器疾患について最低限覚えておきたい基礎知識についてまとめましたので、学習に役立てていただけば幸いです。

呼吸不全の疾患

①ARDS

ARDSとは

ARDS(acute respiratory distress syndrome)は、日本語で急性呼吸窮迫症候群(きゅうせいこきゅうきゅうはくしょうこうぐん)といって、比心原性肺水腫のことです。

比心原性というのは、心臓の悪化を原因としないという意味です。すなわち、心臓が悪くないのに肺胞に水がたまる疾患をARDSといいます。

もうすこし、細かく説明するとARDSは、肺炎や敗血症、全身の感染症などに合併して発症します。これらの合併症により、肺胞や肺胞周囲の毛細血管が損傷します。そうする

と、肺胞周囲に血液や液体が貯留してきます。その液体は、次第に肺胞内にも侵入してきて、肺胞に水が溜まってガス交換を妨げます。

ARDSの診断は
①胸部X線で、両肺のびまん性陰影(スリガラス像)
②O2化が悪い(P/F<300mmHg)
③左心不全がないことです。

ARDSの治療

ARDS治療の第一は、ARDSの原因となった原疾患を治療することです。その間に酸素状態が悪い場合は、フェースマスクや鼻カニューレで酸素を供給します。それでも、血中酸素濃度が改善しない場合は、人工呼吸器を使用します。

人工呼吸では、PEEP(呼気終末陽圧)を5㎝H2O以上かけて、肺胞を膨らませるのを助けます。
1回換気量は、10ml/kg以下(体重1kgにつき6ml以下)と少な目にかけるようです。

ARDSに効果があると立証されている薬剤はいまのところありません。

②間質性肺炎

間質性肺炎とは

間質性肺炎とは、肺の間質組織に線維化が起こる疾患です。それが進行すると、肺胞が縮んでつぶれるたり、逆に、嚢胞と呼ばれる膨らんだ肺胞がでてきます。嚢胞がたくさ

んできて並ぶと、蜂の巣のように見えることからこの状態を、蜂巣肺(ほうそうはい)と呼びます。

間質性肺炎は予後が悪く、急性増悪することがあります。また、診断されてからの3年生存率は50%程度です。

間質性肺炎の治療方法

間質性肺炎は、人工呼吸器は不適応です。治療には、抗繊維化剤のピルフェニドンが使用されます。

陳旧性肺結核

陳旧性肺結核とは

陳旧性肺結核とは、すでに完治した結核のことです。陳旧性肺結核や肺切除した患者は、CO2ナルコーシス(CO2がたまりやすい)になりやすいといった特徴があります。

③肺炎の分類

肺炎の分類

次の肺炎に分類される

①市中肺炎・・入院して48時間以内発症→肺炎球菌、黄色ブドウ球菌などの普通の菌が原因
②院内肺炎・・入院48時間以降に発症→MRSAなどの薬剤耐性菌が原因となることが多い
③人工呼吸器関連肺炎・・・人工呼吸器管理後48~72時間以降に発症する肺炎
④嚥下性肺炎・・・誤嚥により発症する。口腔内常在菌が原因となる

④喘息

喘息とは

喘息は、閉塞性呼吸器疾患です。閉塞性呼吸器疾患とは、肺胞には異常がないけど、肺胞までの空気が流れる経路である気道が狭窄して空気が流れにくくなった状態です。

喘息(閉塞性呼吸器疾患)では、気道が細くなるため、一秒量が低下します。(一秒量とは、おもいっきり息を吐いて、一秒間に吐ける空気の量です。)

喘息の治療

第一選択は吸入ステロイド(フルチカゾン)
呼吸リハビリは効果がない為不適応です。

⑤COPD

COPDとは

COPDは、chronic obstructive pulmonary diseaseの略称で、日本語で慢性閉塞性肺疾患といいます。長年にわたって有毒なガスを吸い込むことにより、気道や肺が炎症を起

こして肺気腫や慢性気管支炎が起こる疾患です。喘息と同様に、閉塞性肺疾患であるため一秒量は低下します。喘息と異なる点は、喘息は気管支拡張薬が効きますが、COPDで

は、気管支拡張薬に反応しません。気管支拡張薬を使用後に肺機能検査しても気道閉鎖している場合、COPDと診断されます。

COPDの治療

治療の、第一選択は気管支拡張剤が使われます。そして、ステロイドも使われます。COPDでは、呼吸リハビリも効果があります。

まとめ

呼吸器の疾患で良く出題されるのは、これくらいです。治療法が良く出題されます。また、COPDと喘息の違いについてもよく出題されるのでしっかり覚えておきましょう。

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