呼吸リハビリテーション各論⑥(社会的サポート)

心理的サポート

慢性呼吸疾患患者の多くは、不安・抑うつ傾向にあります。

不安や抑うつは、QOLを下げてしまいます。不安・抑うつを評価してサポートする必要があります。

社会的サポート

在宅福祉サービスは、『介護保険、身体障害者手帳』によるサービスの利用が主になります。福祉サービスは、自己申告なので医療従事者(ソーシャルワーカー、訪問看護師、ケアマネージャ)が知識を持ち対応する必要があります。

身体障害者手帳

<等級の決め方>
障害者の等級は、「肺機能(1秒量の指数)、血液ガス値、自覚症状」の3つの組み合わせで決めます。1、2、4の3段階に定められます。

等級によりサービス内容が異なります。(詳細は、標準テキスト参照)

<サービス内容>

  • 医療費の助成
  • 介護支援(ホームヘルパーの派遣、移動入浴)
  • 療養物質の給付・貸与(電動ベッド、吸入器、吸引器、酸素飽和度)
  • 住宅改造の補助
  • 公営住宅の斡旋、公共料金・税金の減免など

※都道府県により異なります。

介護保険

<受給条件>
介護保険の対象は、65歳以上または、40歳以上64歳以下で特定疾病(呼吸器疾患ではCOPD、末期癌)

<支援内容>

  • 介護支援(訪問看護・介護・入浴・リハビリテーション)
  • 施設介護の利用(デイサービス、グループホーム、介護老人福祉施設、ショートステイなど)
  • 療養物質の支援
  • 住宅の改造の補助
  • その他(歯科医師・薬剤師・栄養士の家庭訪問の補助など)

※身体障害者手帳と介護保険サービスは、多くが重複する。重複するサービスは、介護保険を優先が原則です。

その他の支援

  • 特定疾患(難病)特別対策推進事業に関連した支援
    (突発性間質性肺炎など)
    ※間質性肺炎では、身体障害に当てはまりにくいのでこちらの取得が望ましい。
  • 国民年金による年金の受給
  • 患者団体による互助など

まとめ

慢性呼吸疾患患者をサポートするサービスは、「身体障碍者手帳」及び「介護保険」が主になります。申告制なので、周囲の医療従事者が補助して申請することが必要です。


コチラも合わせてどうぞ

看護師の転職先を探すには⇒看護師が転職する理由!迷ったときはどうすればいいのか?
呼吸療法試験の勉強法⇒3学会呼吸療法認定士の勉強法を解説します!