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ADLトレーニングとは
ADLは、Activities of Daily Livingの略称で、『日常生活活動』という意味です。具体的には、「一人で独立して、生活するための一連の身体動作」のことです。
呼吸リハビリテーションでは、ADLの自立を目指したトレーニングを行います。
呼吸器疾患のADL評価
簡単な評価法
- 状態記述式、リストアップ式
具体的な動作について、自立しているか否かを羅列するもの。カルテ上ですでに行われていると思われます。
客観的指標
ADLの客観的指標としては、BI、FIMが有名です。自立しているかを項目ごとに点数化する方法です。呼吸器疾患では重症でも点数が高く出てしまう傾向があります。(呼吸器疾患では、重症でも身の回りのことができる場合が多い為。)
- BI(Barthel Index)
- FIM(Functional Independence Measure)
呼吸器疾患を対象にしたADLスコア
BI、FIMに対して、「NRADL、P-ADL」は、呼吸器疾患を対象としてたADLスコアです。自立度の評価に慢性呼吸器疾患特有の状況(息切れの度合い、動作速度、酸素吸入状況など)が加味されています。
- NRADL(The Nagasaki University ADL)
- P-ADL
段階的ADLトレーニングの実際
ADLトレーニングは、患者の状態に応じて段階的に行います。また、ADLトレーニングの前には、コンディショニングなどのケアを行います。
常に患者を注意して見守り、はじめは短時間低負荷、後に時間回数を増やして負荷を増やしていきます。
- ベッド上のトレーニング
座位保持の訓練を行います。受動坐位から始め、自動坐位を目指します。 - 端坐位トレーニング
ベッドから足をたらし、床に足をつけて端坐位のトレーニングをします。足踏みなどの練習も、歩行の準備となります。 - 立位動作トレーニング
介助で立位をとり姿勢を保持する訓練をします。自立で端坐位から立位にできるように目指します。 - 歩行トレーニング
歩行器、車椅子、補助具を使って歩行します。(転属動作なので呼吸パターンには注意します。) - 階段昇降レベル
段差や、勾配のある場所を歩く練習をします。
まとめ
- ADLトレーニングは、「患者の日常生活を自立させる」ためのリハビリです。
- ADL評価として、「BI、FIM」があり、呼吸器疾患を考慮したADL評価には、「NRADL、P-ADL」があります。
- ADLトレーニング前には、コンディショニングを行い、患者の状態に応じて段階的にトレーニングを行います。
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