呼吸リハビリテーション各論②(コンディショニング)

口すぼめ呼吸

口すぼめ呼吸とは、『口をすぼめた状態で、呼気努力を行いながらゆっくりと息を吐き出す方法です。息を吐き出すときに頬を膨らませないように注意します。吸気は鼻から行います。』

吸気と呼気の比は、1:3~5程度、呼吸数10回/分のペースでゆっくり息を吐き出すのがポイントです。

口すぼめ呼吸には、以下の効果がが認められています。

☆超重要☆
  • 気道内圧上昇により気道の虚脱を防ぎます。
  • 呼気量が増加するので、吸気量も増えて一回換気量が増えます。
  • 死腔換気(死腔率)を減らし、換気の効率を改善します。
  • 呼気量を確保することにより、動的過膨張(呼気が不十分で肺が過膨張すること)を防ぎます。
  • 呼吸困難を和らげます。
  • 動脈血酸素飽和度を上昇させます。

要は喚起量が上昇して、呼吸困難が改善されるということです。

腹式呼吸

『腹式呼吸は、吸気時に腹部を膨らませる(横隔膜を挙上させる)て、呼気時には、意識して深く息を吐く呼吸です。』

ただし、COPD患者は、肺が過膨張しており横隔膜がもともと挙上しています。その為、吸気時にお腹を膨らませることは呼吸困難を悪化させることがあります。

しかし、腹式呼吸の呼気は有効です。意識して息を吐き出すことにより、腹壁が収縮して呼気を助けます。(腹壁呼吸とも呼ばれる)

腹式呼吸(腹壁呼吸)と口すぼめ呼吸を組み合わせた効率的な呼吸を行うことが重要です。

リラクセーション

リラクセーションは、『呼吸筋と呼吸補助筋』の緊張を緩和させる手技です。

  • 呼吸補助筋のマッサージ
  • ストレッチ
  • 楽な体位
  • 呼吸介助法など

胸郭可動域の拡張

胸郭可動域の拡張とは、胸郭を構成する各関節・筋の可動性、柔軟性を改善して、呼吸困難の緩和を目的とするものです。以下の手技があります。

  • 呼吸介助法
  • 徒手介助法
  • 徒手胸郭伸張法
  • 関節モビライゼーション
  • ストレッチング

呼吸介助法を詳しく

呼吸介助法は、『呼気時に胸郭を運動方向に圧迫する方法』です。呼気を助けるとともに、胸郭の弾性を生かして吸気の介助にもつながります。

呼吸介助法の目的
  • 呼吸運動機能の改善
  • 可動域の改善
  • リラクセーション
  • 換気量の増加
  • 肺の含気量増加による拡張
  • 呼吸困難の緩和
  • 排痰
    など

※呼吸介助法は、スクイージングと混合されることがあるがそれとは異なるので注意。スクイージングは、排淡を目的としています。

まとめ

コンディショニングは『呼吸法、リラクセーション、可動域の拡張』などのことです。


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