呼吸リハビリテーション③総論(評価項目)

患者

呼吸リハビリケーションの評価項目

呼吸リハビリケーションをするにあたり、呼吸状態を評価する必要があります。評価することにより

どの程度肺の機能が回復したか、また『どのようなニーズ』があるのかを明確化することができます。

呼吸リハビリケーションの評価項目について以下の表に表しました。特に必須評価については、どのような評価があるのかしっかりと覚えておきましょう。

<呼吸リハビリテーションの評価項目>

必須評価 フィジカルアセスメント
スパイロメトリ
胸部X線
心電図
SpO2(経皮的酸素飽和度)
フィールド歩行試験(6分間歩行試験,シャトルウォーキング試験)
呼吸困難感(労作時,安静時)
握力
行うことが望ましい評価 栄養評価
ADL評価
健康関連QOL評価(一般的,疾患特異的)
上肢筋力,下肢筋力の測定,心肺評価
日常生活動作におけるSpO2モニタリング
可能であれば行う評価 運動負荷試験(エルゴメーター,トレッドミル)
呼吸筋力の測定
動脈血ガス分析
心理社会的評価,身体活動量
心臓超音波検査
(日本呼吸ケア・リハビリケーション学会,日本呼吸器学会,日本リハビリテーション医学会,日本理学療法士協会 編:呼吸リハビリケーションマニュアルー運動療法ー 第2版,照林社,東京,2012より改変して引用)

必須評価は、どこの病院でも比較的短時間で簡単に行えるものです。その他は、手間がかかったり専用の機械が必要なものなどが含まれています。

それぞえれを分別する問題が出題されるのでまずは必須評価から覚えていってください。

必須評価の補足説明

フィジカルアセスメント

フィジカルアセスメントとは、患者を観察することにより、呼吸機能を評価する方法です。

呼吸数や呼吸の深さを観察したり、左右の肺の音に異常や雑音がないかを聴診します。また、唇や爪を見てチアノーゼがないことを確認したり、喘息、咳などしていないかなど、見たり・聴いたりして確認する方法です

スパイロメトリ

スパイロメトリは、肺気量分画、肺活量、1秒量などを測定する機器です。スパイロメトリについては、以前紹介しましたので以下を参照してください。

胸部X線

胸部X線検査とは、胸部にX線を照射することにより、胸部の臓器(心臓、肺、気管など)を透過した画像を確認することができます。

X線画像から肺気腫や肺水腫、結核などを診断することができます。

心電図

心電図は、心臓の電気信号を記録したものです。不整脈や心拍数などを確認することができます。

SpO2(経皮的酸素飽和度)

SpO2(酸素飽和度)は、動脈血中の酸化ヘモグロビンの割合を表したものです。パルスオキシメータにより簡単に測定することができます。SpO2からPaO2の値を推測することができます。

フィールド歩行試験(6分間歩行試験,シャトルウォーキング試験)

・6分間歩行試験とは

6分間できるだけ長い距離を歩いてもらい、その距離を測定する方法です。

・シャトルウォーキング試験

10mのコースの両端から50cmのところにコーンをおいて、コーンの間を患者に歩いてもらう試験です。オーディオから流れる電子音に合わせて歩く速さが決められ、その速さは、1分ごとに早くなります。決められた時間内に10m歩行が間に合わなかった時点でテスト終了となります。

呼吸困難感(労作時,安静時)

MRC呼吸困難スケールでは、どの程度の動作時に息切れを感じるかにより、5段階または、6段階で分類します。

握力

握力は、握力計により測定します。


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