呼吸リハビリテーション開始時には、患者の状態を評価して、それに合わせたプログラムを作成します。
プログラムは、以下の5つで成り立っています。
- 運動療法
- コンディショニング(準備運動)
- ADLトレーニング(日常生活の自立)
- 教育・サポート
- プログラムの再評価
それぞれの概要を順番に説明します。
目次(クリックすると移動します)
運動療法
呼吸リハの中心は、『運動療法』です。軽症者は、全身運動・筋力トレーニングの比重が高く、重症者は、コンディショニング・ADL(日常生活動作)の比重を多く設定します。
下肢トレーニングは、運動耐容能や息切れに対して最も効果が高いと認められています。
上肢トレーニングも呼吸リハでは有効性の高いと認められています。上肢の動作は、日常生活でもよく使うので、ADL能力の向上に効果的です。
コンディショニング
コンディショニングは、運動前の準備体操のようなものです。
- 呼吸理学療法の多くの用手的な手技(詳細は各論にて解説)
- 運動前の「短時間作用型気管支拡張薬の吸入」
- 排痰など
ADLトレーニング
基本的なADL(日常生活動作)の自立を目指すトレーニングを行います。患者の状態に合わせて、段階的にトレーニングを行います。
- ベッド上の坐位保持トレーニング
- 端坐位トレーニング
(椅子やベッドなどの端に、足を下ろして座った姿勢) - 立位動作トレーニング
- 歩行トレーニング
- 階段昇降トレーニング
教育・サポート
患者のモチベーションの維持には、「病気の理解」「呼吸リハビリテーションの理解」が必要です。
教育により、患者の自己管理(セルフマネージメント)能力を向上させることで、急性増悪の減少、QOLの向上が期待できます。
再評価と維持
個別プログラムを実施したら、定期的に評価を行います。
定期的な評価は、患者・医療従事者のモチベーションを高める効果があります。
まとめ
呼吸リハビリテーションの個別プログラムは、以下の5つの項目で成り立っています。
- 運動療法
下肢、上肢トレーニング - コンディショニング
運動前の準備体操 - ADLトレーニング
日常生活動作の自立を目指すトレーニング - 教育
病気と呼吸リハの理解を高めてモチベーションを維持する - 再評価
個別プログラムの評価とフィードバック
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