肺血栓症
肺血栓症とは
静脈で作られた血栓が、右心房、右心室を経由して流れて肺動脈を詰まらせる疾患のことです。
※画像を
原因</2>
長期臥床
長時間の安静座位
手術後(とくに骨盤、下腹部手術)
骨盤骨や大腿骨の骨折
妊婦、産褥、経口避妊薬の使用
心疾患、肥満、悪性腫瘍
選定性疾患(アンチトロンビンⅢ欠損症、プロテインC欠損症)
診断
症状
・突発の胸痛、呼吸困難
・咳嗽、血痰、発熱などが見られることも。
・重症では、血圧低下、ショック、チアノーゼ、失神
・多呼吸、頻脈、Ⅱ音肺動脈成分の亢進、ラ音、ときに喘息様の喘鳴
Ⅱ音肺動脈成分の亢進、ラ音とは
検査
血液凝固:FDP、D-dimerの増加
心電図
右心負荷の初見が見られる。(右側胸部誘導のT派陰性化およびSTの変化など)
胸部X線
正常な場合も多い。肺炎様陰影、横隔膜の挙上
血ガス
PaO₂の低下
胸部造影CT
最も確実に診断できる方法です。肺動脈に血栓による欠損像が見られる。
※画像搭載
治療
抗凝固療法
急性期は、ヘパリンの静脈注射を行い、長期的にはワーファリンの内服に切り替えます。APTT、PTなどで凝固時間を確認しながら投与量を調整します。
血栓溶解療法
ショック、急性右心不全など重症の場合は、より血栓溶解効果の高いウロキナーゼや組織プラスミノーゲンアンチッベータを投与します。
呼吸管理
低酸素血症がある場合は、酸素療法を行います。
再発予防・予防
下肢静脈フィルター留置(足の静脈から心臓に血栓が流れないように下大静脈にフィルターを留置します。出血により抗凝固療法ができなくなった場合や抗凝固療法実施でも再発する場合に行われることがあります。)
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