呼吸リハビリテーション総論①(目的・実施要件・流れ)

今回は、呼吸リハビリテーションは、どういったものかを紹介します。

『リハビリテーションの目的・実施の要件』は試験でもよく出題されるのでしっかり確認しておきましょう。

呼吸リハビリテーションとは

呼吸リハビリテーションとは

リハビリテーションとは、本来あるべき状態への回復をサポートすることです。

その中でも呼吸リハビリテーションは、呼吸に関した障害に対するリハビリテーションを指しています。ただし、リハビリテーションによる基本的な考えは他のリハビリテーションと同じです。

呼吸リハビリテーションの定義

我が国の呼吸リハの定義は以下になります。

呼吸リハビリテーションとは、呼吸器の病気によって生じた障害を持つ患者に対して、可能な限り機能を回復、維持させ、これにより、患者自身が自立できることを継続的に支援していくための医療である。
日本呼吸管理学会/日本呼吸器学会呼吸 編:リハビリテーションに関するステートメント.日呼管会誌11:321-320,2001

ようは、呼吸器に関連した障害を、リハビリで回復させることです。

呼吸リハビリテーションの目的・実施の要件

呼吸リハビリテーションの目的

呼吸リハビリテーションの目的は以下になります。

★重要★
  • 息切れ・運動耐能の改善
  • 日常の身体活動性の向上
  • 日常生活・職場への復帰
  • 精神面・自己管理能力の向上
  • 社会資源の活用・経済的負担の軽減
  • 在宅機器の操作能力向上
    など

息切れを改善して社会復帰を目指すのはもちろんのこと、経済的負担の軽減も目的としています。

呼吸リハビリテーション実施の要件

ここは試験によく出るので要チェック!

  • 患者とその家族に対して継続して実施する。
  • 必要なサービスを継続的に提供する。
  • チーム医療として行う。
  • 地域での医療連携を図る。
  • 呼吸障害を全身的な機能障害と位置付け、全人的治療を展開する。
  • 機能評価に基づきゴールを設定して、効果・問題点を評価しながら行う。
  • 効果とQOLを重視して、地域で可能な限りの自立を目標とする。
  • 医療費に見合った効果を意識して行う。
  • リハビリの内容は、セルフマネジメント強化という考えを元に行う。
  • インフォームド・コンセントを行う。
  • 科学的根拠に基づいて行う。
全人的治療・・・
特定の部位や疾患に限定せず、患者の心理や社会的側面なども含めて幅広く考慮しながら、個々人に合った総合的な疾病予防や診断・治療を行う医療。

ーデジタル大辞泉「全人的医療」の解説より引用ー

呼吸リハビリテーションの流れ

ここでは、呼吸リハビリテーションの流れを簡潔に記します。それぞれの詳細については、別のページにて順番に解説していきます。

  1. 患者の選択
  2. 初期評価
  3. 個別プログラムの作成
  4. 個別プログラムの実施
  5. 再評価
  6. 個別プログラムの作成

このように、4~6を繰り返して行い継続的に行うのが呼吸リハビリテーションです。


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