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開胸・開腹術後の肺合併症とは?
今回は、開胸・開腹後の肺合併症についてどのようなことを学んでいくのかを紹介します。
多くの外科手術後には、肺合併症を引き起こす危険性があります。特に開胸・開腹後では、他の外科手術と比べても肺合併症の発生頻度が高いです。(最も多いのは上腹部手術)
ちなみに術後の肺合併症は、「もともと患っていた肺疾患が重症化する場合」と「新たに発生した肺合併症」に分類されます。認定士のテキストでは、新たに発生した肺合併症について説明しています。開胸・開腹後には、どのような合併症があるのか?それらの種類・原因・病態・治療法についてが認定士試験の出題範囲になります。
術後の肺合併症の種類
まずは、開胸・開腹後には、どのような種類の合併症が発生するのかを紹介します。試験では、これらの呼吸障害に対する原因・病態について問う問題が特に多く出題されます。
詳しくは、次ページで紹介するとして、まずはどのような肺合併症の種類があるのかを覚えてください。
術後の呼吸障害は、呼吸障害の種類により「①喚起障害 ②肺胞のガス交換障害 ③循環の障害 ④代謝亢進による障害」の4つに分類されます。

1.喚起障害
喚起障害とは、呼吸回数や1回呼吸量が低下することによる呼吸障害のことです。ようは、換気量が低下すること。
2.肺胞のガス交換障害
肺胞のガス交換障害は、肺胞でのガス交換が障害された状態です。何らかの原因でシャントや喚起血流比の不均衡が発生している状態です。
3.循環の障害
血栓が肺動脈に詰まることにより、肺に血液が流れなくなりガス交換ができなくなる状態です。(肺塞栓症のこと。)急激な呼吸困難に陥ります。
4.代謝亢進による障害
悪寒や痙攣などにより代謝量が増えると、酸素消費量が爆発的に増加して、呼吸機能が正常でも酸素が足りなくなり呼吸不全に陥ることがあります。この原因については、テキストでもほとんど触れられていないので、ここでも詳しくは説明しません。
以上が、開胸・開腹後の肺合併症の代表的な4つの合併症です。次項では、今回紹介した4つの合併症について、「原因・病態・診断・処置」などについて順番に紹介します。このページでは、4つの合併症が何なのかをしっかり覚えてください。

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