呼吸器を使うと、気道が外界と直接つながってしまうため微生物が侵入して感染症を起こしやすくなります。感染症予防に必要な知識を身に着けて実施することが必要です。
感染症の分類
院内感染
院内感染は以下の2つがあります。
医療施設において患者が原疾患とは別の感染症に感染した場合
医療従事者が医療施設内で感染した感染症
院内感染は、人から人や、医療器具を介して感染します。器具の滅菌消毒を徹底することが大切です。
日和見感染
MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)や緑膿菌などによる感染症を日和見感染といいます。日和見感染は、健康な人は感染しませんが、高齢者や副腎皮質ホルモン投与などにより抵抗力の落ちた患者が発症しやすくなります。
処置前後には、石鹸と流水による手洗いを行う。
血液・体液が付着したら手洗いで十分だが、擦り込み式手指消毒薬を使うのが望ましい。
衣類を清潔にして、個室管理、定期的な院内消毒を積極的に取り組む。
ICUの清潔領域の入室に履物交換や個人要望互具着用を一律に実施するのは感染予防効果はない。
粘着マットや薬液浸潤マットは、感染症予防効果はない。
感染症
結核
結核は、昭和20年代の死因1位でしたが、抗結核薬の発明により減少しました。しかし現代でも、死因の25位(平成23年)であり、院内感染も報告されています。
結核が発病しやすいのは、結核患者との接触の他に、「HIV陽性、麈肺、珪肺、免疫抑制剤投与、透析患者、胃切除後、体重減少、糖尿病、副腎皮質ホルモン大量投与など」抵抗力が落ちている状態で発症しやすくなります。
HIV
HIVは、増加傾向にあります。血液を介して感染しますが、B・C肝炎よりは感染力は弱いです。
検体に触れるときは、ゴム手袋をする。
針刺し事故防止対策
吸引物は、ディスポーザブル吸引バッグのまま、着衣は厚手の袋に入れて破棄する。
気管支鏡は消毒用エタノールで清拭し、流水洗浄した後、内視鏡洗浄機にいれて洗浄する。
まとめ
人工呼吸中は、感染症を合併しやすい。
院内感染とは、院内で患者が新たな感染症に感染すること。院内で医療従事者が感染症に感染すること。
日和見感染は、通常感染しないような緑膿菌やMRSAなどに抵抗力の弱くなった人が感染すること。
感染症の予防方法について試験によく出題されます。標準テキストをよく読んで覚えておきましょう。
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