肺炎

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肺炎とは

細菌、ウイルスなどの感染により、肺が炎症を起こす状態を肺炎といいます。

肺炎の分類

  • 市中肺炎
    日常生活中に感染した肺炎。細菌性が多い。
  • 院内肺炎
    入院後48時間以上経過して発症した肺炎。細菌、真菌、ウイルスなどが原因。
  • 非定形肺炎
    マイコプラズマ、クラジミア肺炎など。「痰が少ない、白血球の増加が軽度、ペニシリン系の薬剤が効かない。」など肺炎としては非典型的な症状がみられる。
  • 肺化膿症
    肺組織が壊死して空洞となる肺炎。好気性菌に加え嫌気性菌が原因。
  • 嚥下性肺炎
    誤嚥性肺炎のこと。高齢者や脳血管障碍者に多い。嫌気性菌(口腔内菌)が多い。
  • 人工呼吸器関連肺炎(VAP)
    人工呼吸器装着により発症した肺炎。(装着後48時間以降に発症したものと定義される。)

肺炎の診断

症状

発熱・咳・膿性痰

身体症状

聴診により、病変部位でcoarse crackles(水泡音)

coarse crackles
「ゴロゴロ、プツプツ」といった断続性の音

検査

①胸部X線で異常陰影が見られる。

肺炎というのは、肺が炎症を起こす状態です。炎症部位には水が溜まります。水がたまった部位は、エックス線が透過しにくくなり陰影(白く映ります。)となります。

肺炎胸部X線像(中濃厚生病院より)(http://www.chuno.gfkosei.or.jp/c-kokyuki_sikkan.htmlより引用)

②白血球増加や核の左方移動

白血球(好中球、リンパ球、好酸球、探求、好塩基球の総称)は、体内に侵入した細菌やウイルスを消化・分解する役割があります。体内にウイルスや細菌が増えると、白血球が炎症部位に集まり増加します。

核の左方変位というのは、好中球に分化する前の若いもの(幹状核球など)が増加することです。骨髄で白血球を作るのが増加していることを意味します。

③CRPの上昇

CRPは、炎症により細胞の蛋白が壊れた時にできる物質です。正常状態では、血液中にほとんど含まれないので炎症の判定に使われます。

原因菌の特定

肺炎の治療は、感染したウイルスや細菌に効果のある抗生物質を投与することです。その為には、何に感染しているかを調べなければなりません。

  1. 痰の検査
    喀痰を培養して菌の特定を行う方法
  2. 迅速検査
    尿中の抗原を調べる方法
  3. 血清診断
    血清の抗体価を調べて感染を調べます。
  4. 遺伝子診断
    菌のDNAを取り出して、増幅させて調べる方法。

肺炎の治療

肺炎の治療は、原因菌に対して効果的な抗生物質を投与することです。ただし、原因菌の特定には数日かかります。そこで感染した状況により原因菌を予測した初期治療を行います。

  • 市中肺炎
    肺炎球菌を想定してペニシリン系薬物を投与
  • 非定形肺炎
    マクロライド系、テトラサイクリン系薬物を投与
  • 院内肺炎
    基礎疾患、病態により治療薬を選択

治療法について、もう少し詳しく学びたい場合は、日本呼吸器学会よりガイドラインが作成されています。


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