酸素療法⑥(酸素療法の注意点)

酸素療法では、副作用に注意が必要です。

副作用は、「酸素中毒、CO2ナルコーシス、吸収性無気肺」の3つが重要です。

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酸素中毒

吸入酸素濃度60%以上で出現しやすく、ARDS(急性呼吸促迫症候群)に似た病理像を認めます。

止む負えない場合を除いて、高濃度酸素吸入は避けるように注意します。

CO2ナルコーシス

CO2ナルコーシスは、「高二酸化炭素血症による意識障害」と定義されます。慢性のⅡ型呼吸不全患者に、高濃度酸素を吸入させると二酸化炭素の排出が抑制されます。

安定した慢性のⅡ型呼吸不全患者は、CO2が高くても、腎代謝によりphが正常に維持されている場合が多いく、意識障害が発症しません。どのような症例でも低濃度酸素投与が必須です。

低濃度で一定の酸素を投与するには、ベンチュリマスクが最適です。

吸収性無気肺

無気肺は高濃度酸素吸入により、肺内の窒素が酸素で洗い流されることにより発症します。

肺に入った酸素は、急激に血液中に吸収され無気肺となります。

まとめ

高濃度酸素の投与は、さまざまな合併症を引き起こします。

患者の疾患によるリスクを認識して、必要最小限の酸素濃度に設定しなければなりません。


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