酸素解離曲線とボーア効果

ヘモグロビンによる酸素運搬

酸素と結合したヘモグロビンは、血液の流れに乗って全身に流れます。全身に移動しながら、酸素を放出して各細胞に酸素を供給します。

ヘモグロビンの酸素運搬画像

ヘモグロビンの酸素運搬

ヘモグロビンは、Pao2が低いほど、酸素を放しやすくなる性質があります。その為、体の抹消に行くほどPo2(酸素分圧)が低下するため、ヘモグロビンは酸素を放出する量が増えます。全身の抹消に到達するころには、So2が75%まで低下します。

ちなみにこのPo2とSo2の関係を表したグラフを酸素解離曲線といいます。

今回は、酸素解離曲線について学んでいきます!

酸素解離曲線

酸素解離曲線の基礎知識

下の図は、Po2とSo2の関係を表した酸素解離曲線です。

酸素解離曲線の画像

酸素解離曲線

グラフの見方を説明しますね。

横の目盛りは、Po2(酸素分圧)の値を表します。

縦は、So2(酸素飽和度)の値を表します。

※メモ それぞれの説明入れる

例えば、Po2の値が100㎜Hgの時のSo2を見ていきましょう。(酸素化された直後の、動脈血がこの部分に該当します。)

  1. Po2の上に垂直線をグラフの線が当たるまで引きます。
  2. そして、水平線を引きます。
動脈血について

動脈血の酸素飽和度

この値が、対応するSo2になります。だいたい、98%になります。

次は、Po2が40㎜Hgの時の、So2を見ていきましょう。(末梢の血液の酸素分圧がこの部分に該当します。)

酸素解離曲線の説明画像

末梢血の酸素飽和度

 

このように、Po2とSo2は、一定の関係があります。

覚え方としては、40-50-60/70-80-90 ルールというのがあります。

  • Po2=40mmHg ⇒So2=75%
  • Po2=50mmHg ⇒So2=80%
  • Po2=60mmHg ⇒So2=90%

パルスオキシメータの値を見て、およその酸素分圧が把握できるように覚えておきましょう。

S字型

酸素解離曲線の形は、S字型と表現されます。

最初はなだらか、酸素分圧が下がってくると一気に下降します。この形がアルファベットのS字にみえるということです。

酸素解離曲線のS字型の画像

S字型

理由は、ヘモグロビンは酸素分子が0個の状態か、4個結合した状態で安定するからです。

したがって、初めは酸素を離しにくいですが、一たび酸素の分離が始まると、一気に放出します。

酸素解離曲線の勾配

勾配の変化

1つの酸素分子を放出すると、不安定になり残りの3つの酸素分子もすぐに放出します。

酸素解離曲線のシフト

Po2とSo2の関係を覚えてもらいました。しかし、生体の状況により変化します。

右にずれたり左にずれたりします。

右にずれるのを右方移動(ボーア効果)、左にずれるのを左方移動と呼びます。

酸素解離曲線の移動説明画像

酸素解離曲線の変移

酸素解離曲線の右方変位(ボーア効果)

右方変位は、どのような効果があるのでしょうか?

同じ酸素分圧の時のSaO2を比較してみてください。例えば、Po2が40㎜Hgの場所を見てみましょう。

右方変位の酸素飽和度

酸素飽和度の違い

元のグラフは、So2が75mmHg程です。それに対して、右方変位したグラフではSo2が50mmHgくらいになってます。

このことから分かるのは、右方変位すると酸素飽和度が下がるということです。すなわち、ヘモグロビンが酸素を放出しやすくなるということです。

右方変位の説明画像

右方変位のイメージ

酸素を放出しやすくなるということは、細胞への酸素供給量が上がるというプラスの効果があります。

ちなみに、どういうときに右方変異するかというのが重要です。試験にもよく出題されます。

  • PCo2の増加
  • ph低下(PCo2が増えると、phが低下します。4章で学びます。)
    参照:「ヘンダーソンの式」)
  • 体温上昇
  • 2,3-ジホスホグリセリン酸の増加
    (グルコース代謝で作られる物質)

激しい運動をした時などに発生する現象ですね。右方変位は、代謝の盛んな組織に対して、効率よく酸素を供給するという効果があります。

酸素解離曲線の左方変位

左方変位は、解離曲線が左側に移動することです。そうなると、同じ酸素分圧でも、酸素飽和度が高くなります。同様に、抹消の酸素飽和度を比較し見ましょう。

酸素解離曲線の左方移動の説明画像

左方移動の説明

元のグラフは、So2が75mmHg程です。それに対して、左方変位したグラフではSo2が90mmHgくらいになってます。ほとんど酸素が分離していませんね・・・

つまり、ヘモグロビンが酸素との結合力が強くなり、酸素を放出しにくくなるということです。右方変位とは、逆の効果です。

左方移動になるのは以下の条件です。

  • PCo2の低下
  • ph上昇
  • 体温低下
  • 2,3-ジホスホグリセリン酸の低下

安静にしている組織には、酸素の供給を控えるという効果があります。

まとめ

  • 酸素解離曲線は、So2(酸素飽和度)とPo2(酸素分圧)の関係を表したグラフ。横軸に、酸素分圧、縦軸に酸素飽和度を表示する。
  • 組織の代謝が上がると右方変位(ボーア効果)、代謝が下がると左方変位する。
  • 酸素解離曲線の変位は、酸素が必要なところに効率よく供給するために役立つ。

コチラも合わせてどうぞ

看護師の転職先を探すには⇒看護師が転職する理由!迷ったときはどうすればいいのか?
呼吸療法試験の勉強法⇒3学会呼吸療法認定士の勉強法を解説します!