NPPV(非侵襲的陽圧喚起)の喚起モードと初期設定値について

目次(クリックすると移動します)

NPPVのモード

Sモード

SモードのSは、spontaneousの頭文字で、『自発的な』という意味です。
具体的には、PEEP+PSに相当します。患者の自発呼吸に同期して喚起をサポートします。

Tモード

TモードのTは、timedの頭文字で『時間が指定された』という意味です。
設定された呼吸数、吸気呼気比で調節喚起(強制換気)を行います。

STモード

基本的には、Sモードとして働く。ただし、一定時間以上呼吸がない場合は、調節喚起が行われます。

CPAP

吸気呼気ともに、一定の圧力をかけ続けます。

BIPAP

BIPAPは、以前も紹介しているのでそちらを参照ください。(参照:人工呼吸器の基本的な喚起モード

 

NPPVの初期設定

以下は、日本呼吸学会NPPVガイドラインにおける急性期NPPVの初期設定です。基本的には、Sモードまたは、S/Tモードを選択します。以下のように開始して、起床時はSpO2が95%以上になるように、酸素濃度を調整します。睡眠時は、SpO290%以上になるように管理します。

IPAPの設定
〇導入は8~10mmH2Oで開始し、患者の快適さ(呼吸困難や呼吸補助筋の使用の程度)、次いでPaCO2、1回換気量、呼吸数を参考に設定を変更する。
・PaCO2は、まず5~10mmHg程度低下することを目標
・1回換気量は6~10ml/kgを目標
EPAPの設定
〇基本的には4cmH2Oのままでよい
・酸素化が不十分→PEEP効果を期待して上げる。
・トリガーがうまくかからない場合、試しに4→6→8cmH2Oと変化させトリガーが改善すればその値に変更。

(第20回3学会合同呼吸療法認定士 認定講習会テキストより引用)

ご存知だと思いますが、NPPVでの、吸気時の設定をIPAPといい、呼気時の設定をEPAPといいます。


コチラも合わせてどうぞ

看護師の転職先を探すには⇒看護師が転職する理由!迷ったときはどうすればいいのか?
呼吸療法試験の勉強法⇒3学会呼吸療法認定士の勉強法を解説します!