肺癌のステージ分類と治療法・生存率について

はじめに

肺癌は、日本人の男性における癌の1位となっています。また、肺癌は検査で発見しにくいことや、転移しやすいため、肺癌の治療成績は残念ながらよくありません。今回は、『肺癌のステージ分類、治療法、生命予後』について簡潔に紹介します。

 

肺癌の種類

肺癌は、非小細胞癌と小細胞癌の2つに大別されます。
非小細胞癌はさらに、扁平上皮癌、腺癌、大細胞癌に分類されます。

非小細胞癌 扁平上皮癌 肺癌全体の30%を占める
喫煙者に多い
肺門部に発生する
転移しにくい
切除後は予後良好
腺癌 肺がん全体の50%
肺野部に発生する
転移しやすい
再発しやすい
大細胞癌 肺癌全体の7%
肺野部に発生する
進行が速い
予後不良
小細胞癌 肺癌全体の20%
肺門部に発生する
進行速い
予後不良

肺がんの発生部位(http://www.cancertests-support.com/がんの基礎知識/肺がんが怖い理由とは?.htmlより引用)

 

肺癌のステージ分類

分類 ステージ 範囲
非小細胞癌 ⅠA,ⅠB 肺内に限局
ⅡA,ⅡB 肺門まで
ⅢA,ⅢB 縦隔,周囲臓器まで
遠隔転移
小細胞癌 LD 同側胸腔内
ED 胸腔外まで

上記に紹介した分類は、おおまかな分類方法です。数字が大きいほど、進行しており、AとBでは、Bの方が進行していることを表します。

ステージの細かな分類は、がん克服 生還への道を参照してください。

肺癌の治療方法

分類 ステージ 治療法
非小細胞癌 Ⅰ,Ⅱ 外科手術で切除
ⅢA 場合によっては手術適応
基本的には化学療法±放射線療法
ⅢB,Ⅳ 化学療法±放射線療法
小細胞癌 LD 化学療法+放射線療法
ED 化学療法

肺癌の進行がⅠ,Ⅱでは、切除することにより完治が見込めます。それ以上になると、化学療法または放射線療法で癌の進行を遅らせる治療になります。

小細胞癌では転移が早く、完治は困難です。

肺癌の予後

分類 ステージ 5年生存率(%)
非小細胞癌 70
50
ⅢA 25
ⅢB 10
0
小細胞癌 LD 30(3年生存率)
ED 10(3年生存率)

(参考文献)
攻略2015呼吸療法認定士試験対策たしかめドリル(日総研)
第20回3学会合同呼吸療法認定士認定講習会テキスト


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