吸入療法④吸入補助器具(スペーサー)

スペーサーの使用について

MDIは、吸入のタイミングが難しいので、スペーサーの使用が推奨されます。
(製薬会社が無料で提供するものもあります。)

誤った吸入では、口腔内に沈着して気管・細気管支・細気管支に薬剤が届きません。

正しい吸入方法では、スペーサーを使っても使わなくても、肺内沈着率はほぼ同じです。

<スペーサーの使い方>

  1. 吸入器を十分に振って、中を混和する。
  2. 吸入口をスペーサーの差し込み口に挿入する
  3. 1回噴射する。(ボルマティックは2回まで可能)
  4. 安静呼気位から、10秒(最低4秒)息を止める。
  5. ゆっくりと息を吐く

<スペーサーの管理>

  • プラスチック製のスペーサーは、静電気が発生するので擦らない。
  • スペーサーに薬液を噴射した後、吸入まで時間をかけない(10秒以内)
  • スペーサーは、洗剤で洗い自然乾燥させる。(拭かない)
  • 静電気防止機能(エアロチャンバープラス、オプティヘラーなど)がある。

スペーサーの選び方

<スペーサーの選び方>
液体タイプは、懸濁タイプに比べ噴射スピードが遅いので、小さなスペーサーが推奨されます。
<スペーサーの種類>

スペーサー名 容積 肺沈着率 特徴
ボルマチック 750 15 携帯不便
西洋梨型スペーサー 750 15 形態不便
エアロチャンバー 145 15 形態不便
静電気防止
マスクつきエアロチャンバー 145 15 乳幼児
成人用有
インスパイヤーイーズ 700 12 バックと吸入器
取り外し可
オプチヘラー 40 18 小型
静電気防止

★いろいろな種類のスペーサーがあります。携帯のしやすさや、容積(大中小)について試験に出題されることがあります。

スペーサーの効果

5μm以上の粒子は、スペーサーの内壁に沈着します。

それ以下の粒子を吸入することができるので、口腔~咽頭部への薬剤の沈着を防止して口腔カンジダ症を予防することができます。

まとめ

吸入を補助するスペーサーについて紹介しました。MDIで正しく吸入するために小児高齢者に効果的です。

『使用方法・選び方・効果』についてしっかり説明できるようになりましょう。


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