吸入療法①(吸入の基礎)

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吸入療法とは

吸入療法は、『気管支喘息』『COPD』の主たる治療で使われます。気管支に直接噴霧するので副作用が少なく少量で効果を期待できます。

吸入器は以下の商品が使われます。

<吸入器の種類>

  • ジェットネブライザー
  • 超音波ネブライザー
  • メッシュ式ネブライザー
  • 定量噴霧式吸入器(MDI:metered dose inhaler)
  • ドライパウダー式吸入器(DPI:dry powder inhaler)

※いろいろありますが、詳細は他のページで解説しますね。

<吸入薬の種類>

  • 去痰薬、気管支拡張薬(COPD患者)
  • 抗アレルギー薬
  • 副腎皮質ステロイド薬
  • 長時間作用型のβ2刺激薬と抗コリン薬の合剤
  • 副腎質ステロイド薬と長時間作用型β2刺激薬の合剤
  • 抗コリン薬とβ2刺激薬の合剤

COPD以外でも様々な疾患が、吸入の対象になっています。

これらを使って、最大の効果を発揮するには、正しい手技で吸入することが必要です。

※薬の作用については、「7章薬物療法」でやっていますので参照ください。

吸入療法の基本

エアゾルサイズと沈着部位

エアゾルの粒子は、大きさにより到達距離が変わります。

  • 大きいと・・上気道(口腔・咽頭)に沈着してしまう。
  • 小さすぎると・・肺胞へ到達して、呼気で排出される。

★その為、ちょうどいいサイズは1~5μm程度です。このサイズでは、気管~細気管支に沈着して気管支拡張薬・副腎皮質ステロイドの効果を十分に発揮します。

ちなみにエアゾル粒子の沈着は以下の3つにより起こります。

  1. 衝突・・咽頭後壁、気管、気管支で急激に気流の方向が変化して、同部位に沈着しやすい。
  2. 重力・・末梢では、流速が低下して重力で気道に沈着します。
  3. 拡散・・気流がなくても、1μm以下の粒子は、ブラウン運動による拡散で、呼吸細気管支~肺胞までガスが移動します。
★エアゾル粒子径と沈着部位
〔上気道〕
30~70μm・・鼻腔
20~30μm・・咽頭
10~20μm・・喉頭
8~10μm・・気管
5~  8μm・・気管支
〔下気道(肺内)〕
3~  5μm・・細気管支
0.5~3μm・・肺胞
鼻腔から肺胞までの解剖

鼻腔から肺胞まで

※治療に適した粒子のサイズは、1~5μmです。
(細気管支~呼吸細気管支までに沈着)
粒子のサイズによりどこに沈着するか?という問題が時々出題されます。
確実に全て覚えておきましょう!

エアゾル粒子沈着に及ぼす呼吸パターン

<吸入速度>

粒子の大きさの他、患者の吸入速度によっても沈着部位が変わります。ジェットネブライザーやMDIで推奨される吸気速度は、0.5~0.75L/秒、DPIでは、1~2L/秒です。
(安静呼吸時は、0.5L/秒)

★ジェットネブライザやMDIは、ゆっくり吸気して、DPIで早く吸気します。

<1回吸気量と息止め時間>

  1. MDI,PDIは、1回の吸気量は安静呼気位~最大吸気位までで十分です。それ以上吸気しても効果は変わりません。
  2. 吸気後の息止め時間は、最低5~10秒程度が望ましいです。

<気道径>

「乳幼児・腫瘍、気管挿管患者」などは、気道が細くなっているのでエアゾル粒子が末梢まで届きません。

まとめ

今回は、吸入療法についてざっくりと解説しました。次項より、それぞれの内容を掘り下げて紹介していきます。


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