胸腔の圧力について

今回は、肺はどのような原理で膨らんだり縮んだりするかを学びます。

ちなみに肺は、肺自身が自分の力で膨らんだり縮んだりするわけではありません。胸腔内の圧力変化により縮んだり膨らんだりします。

それらについて、もう少し詳しく説明していきますね。

目次(クリックすると移動します)

圧力ってなに?

まず、圧力ってどういうものか理解しているでしょうか??

ウィキペディアでは、「物体の表面を垂直に押し付ける力のこと」などと記載されています。

呼吸器の勉強では、空気が物体の表面を押し付ける力というように理解しておけばオッケーです。

また、圧力には、陰圧(-の圧力)と陽圧(+の圧力があります。)

呼吸器の学習では、プラスの圧力は空気が押し付ける圧力。マイナスの圧力は空気が引っ張る圧力というように覚えておくといいでしょう。

前置きが長くなりすぎました。ここで理解して欲しいのは、胸腔内の圧力です。

胸腔内の圧力

胸腔内の圧力は、以下になります。試験にもよく出題されます。

★重要★

<胸腔内の圧力>
安静吸気時→ -4~-8cmH2O
安静呼気時→ -2~-4cmH2O
努力吸気時→ -40cmH2O
努力呼気時→ +40cmH2O

表のとおり、安静呼吸時の胸腔圧は常にマイナスです。ただし、呼気時は吸気時より少し圧力が上がるようです。このような胸腔内圧の変化により肺が縮んだり膨らんだりします。

安静呼吸時の圧力変化と肺の状態を順番に説明していきますね。

安静時吸気時は、胸腔内圧が下がります。「-4~-8cmH2O」です。
先ほども説明しましたが、マイナスの圧力は引っ張る力です。吸気時は以下の図のように肺胞が外側に引っ張られて膨らみます。

下の図は、胸腔内の肺胞を拡大したイラストです。

呼吸時の肺胞

安静呼気時は、胸腔内圧が少し上がります。「-2~-4cmH2O」となります。肺胞をひっぱる力が吸気時より弱くなったことで、先ほど膨らんでいた肺が縮まります。ただし、胸腔内圧は0ではないので呼気時でも肺胞がぺったんこに潰れることはありません。

このように、胸腔内の圧力が繰り返し変化することで、肺が縮んだり膨らんだりして呼吸ができます。

ちなみに、胸腔内の圧力はどのようにして変化しているか?というのも重要です。胸腔内の圧力の変化は、胸腔内の容積の変化により行われます。

呼吸による胸腔の容量の変化は以下のようになります。

  • 吸気時には、「横隔膜が下がり胸郭が上に上がります。」その為、胸腔の容量が増加します。
  • 呼気時には、「横隔膜が上がり胸郭が下がります。」その為、胸腔の容積が減少します。
呼吸時の胸腔の容量

胸腔の容積が、変わることにより中の圧力が変化します。

胸腔の容量が増えると、圧力は下がります。胸腔の容量が減ると、圧力が上がります。何故そうなるのかというのは、中学生の時に習ったであろうボイルの法則で証明されます。(以下にボイルの法則の説明をしますが、面倒な人や理科が嫌いな人は、飛ばしてね。)

ボイルの法則による説明

ボイルの法則というのは次の物です。

ボイルの法則は、一定温度で、一定量の気体では体積Vは圧力pに反比例する。
V=k/pというものです。

この式を変形(両辺にpを掛けて、両辺をVで割る)して、p=の式にします。

するとp=k/Vとなります。

この式より体積(V)が増えると、圧力(p)が反比例して下がるのが分かります。

イメージとしては、狭い部屋にたくさんの人が入ると窮屈になる。(圧力が上がる)
そこで、部屋を広くすると、窮屈は改善する。(圧力が下がる)

ボイルの法則が分からなくても、こういうイメージが分かればオッケーです。

ようは、部屋が広くなると圧力が下がり、部屋が狭くなると圧力が上がる。そして、周り(胸腔)の圧が下がると肺が膨らみ、胸腔の圧が上がると肺が縮む。

胸腔の圧力まとめ

長々と説明しましたが、今回理解してほしいことは胸腔の圧力が下がると肺が膨らみ、胸腔の圧力が上がると肺が縮むということです。


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