生体内で産生された、余分なH+は、呼吸や腎臓により排出されることを前回学びました。
今回は、生体のph濃度を決める因子について紹介します。どのような物質が増えるとphが上がり、何が増えるとphが下がるかを学びます。それでは、やっていこう!
目次(クリックすると移動します)
phを決める因子
生体内のphを決める因子は、CO2とHCO3-です。これらの濃度により生体内のphが左右されます。それぞれについて簡単に説明します。
【CO2について】
食物などをエネルギーに変える過程で、CO2が発生します。(参照)このCO2が血液中に移動すると、血液中のH2O(水)と反応してH+が発生します。
CO2+H2O→H2CO3→H++HCO3-
したがって、血液中のCO2はH+を増やす働きがあります。CO2が増えるとH+濃度が上がり酸性に傾くことが分かります。
【HCO3ーについて】
HCO3ーは、腎臓や血液中で作られます。HCO3ーは、血液中ではH+と反応してH2CO3となります。
HCO3-+H+→H2CO3ー
したがって、HCO3-はH+濃度を減らす働きがあります。HCO3-が増えると、H+濃度が下がりアルカリ性に傾くことが分かります。
ヘンダーソン・ハッセルバルヒの式
生体内CO2とHCO3-濃度からphを導く式を、ヘンダーソン・ハッセイルバルヒの式といいます。この式自体が試験に出ることはありませんが、酸塩基平衡を理解するためには重要な内容なのでぜひ読み進めてください。式を見てみると、HCO3-が分子にあり、CO2が分母にあります。それにより
- CO2が増えるとphが下がる。(H+濃度が上がる。)
- CO2が下がるとphが上がる。(H+濃度が下がる。)
- HCO3-が増えると、phが上がる。(H+濃度が下がる。)
- HCO3-が下がると、phが下がる。(H+濃度が上がる。)
とうことが式を見て理解できればオッケーです。
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