『1秒量・1秒率・%肺活量』による閉塞性と拘束性の換気障害分類

換気障害

スパイロメータで測定した肺気量分画から計算により『1秒量(FEV1.0)、1秒率(FEV1/FVCまたはFEV1%)、%肺活量』を求めて、換気障害の分類を行います。

今回は、1秒量・1秒率・%肺活量により、拘束性換気障害、閉塞性換気障害、混合成換気障害かに分類する方法について紹介します。

1秒量(FEV)とは

息を吸える限界まで精一杯吸い込んだ状態を最大吸気位といいます。最大吸気位から、思いっきり息を吐ききったときの呼気の量を努力肺活量(肺活量)といいます。このときのようすを、縦軸に気量(流れた空気の総量)を、横軸に時間(秒)を記録したグラフを努力呼出曲線と言います。

努力呼吸曲線

そして、最大吸気位(ピークフロー)から、最初の1秒間に吐き出した空気の量を1秒量(FEV1.0といいます。FEV1.0は、forced expiratory volume in 1 secondの略称です。それぞれの単語の意味は

「forced」→「強制された」
「expiratory」→「呼気の」
「volume」→「量」
「in 1 second」→「1秒間の」

となります。「expiratory」や「volume」は、肺気量分画での略語にも使われていましたね。略語を覚えるには正式名称まで覚えないとなかなか略語を覚えれません。ただ、「inspiratory」→「吸気の」、「expiratory」→「呼気の」などは、いろんな略語に使いまわされているので一度覚えていると、見たことのない略語を見た時でも大まかに予想することができます。

めんどうですが、こればっかりは頑張って覚えるしかありません。

1秒率とは

1秒量を肺活量で除した値を1秒率といいます。1秒率は、略語でFEV1/FVCもしくは、FEV1と表されます。

略語については、%の位置には注意してください!!

『%』がFEV1の後ろに来るのと、%FEV1 のように手前にくるのでは、意味がまったく変わってきます。

%FEV1 と記載された場合は、標準化一秒量という意味となります。標準化一秒量とは、健常な人の予測一秒量のことを言います。ちなみに予測一秒量は、身長・性別・年齢により求められます。

FEV1は、先ほど紹介した1秒量です。FVCは、「foced vital capacity(フォースド バイタル キャパシティ)」といって、肺活量という意味です。

計算式で表すと以下のようになります。

1秒率=(1秒量/肺活量)×100  (%)

すなわち、『1秒間に肺活量のうち何%の空気を吐き出すことができるか』というのが1秒率です。1秒率の正常値は、70%以上です。気道が閉塞する疾患では、空気が吐き出しにくくなり1秒率が低下します。

%肺活量(%VC)とは

%肺活量とは、年齢・身長・性別による予測肺活量に対して、実際に測定した肺活量(VC)がどの程度の割合かを表したものです。計算式で表すと以下のようになります。

%VC=(実測VC/予測VC)×100 (%)

 

換気障害の分類

1秒量と1秒率について理解は大丈夫でしょうか?次は今回の一番大切なところです。1秒率と%肺活量により換気障害を分類する方法を紹介します。

肺活量と1秒率から以下のように換気障害が分類されます。

換気障害

・%肺活量が80%以下を拘束性換気障害
・1秒率が70%以下を閉塞性換気障害
・両方当てはまる場合は、混合性換気障害

と定義されます。

☆これらの値はとても重要なので必ず覚えてください。

 

換気障害の疾患

拘束性換気障害

拘束性換気障害とは、肺胞に障害があることにより呼吸障害が現れる換気障害です。具体的な疾患名としては、肺線維症などがあげられます。

閉塞性換気障害

閉塞性換気障害とは、気道が閉塞(狭窄)して空気が流れなくなる(息を吐き出しにくくなる)疾患です。代表的な疾患としてCOPD、気管支喘息があげられます。COPDは、慢性気管支炎と肺気腫を合わせた疾患です。気管支が炎症して狭窄することで、一気に吐き出せる量が少なくなります。

混合成換気障害

混合成換気障害とは、拘束性換気障害と閉塞性換気障害が合併した状態です。COPDの初期症状は、慢性気管支炎などの閉塞性換気障害が中心となります。進行すると、肺気腫も進行して拘束性換気障害も合併してきます。

 

まとめ

今回の説明で1秒量・1秒率・%肺活量による換気障害の分類方法を理解することができたでしょうか?

次回は、これらを理解したうえで、フローボリューム曲線について紹介します。

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