胎児の循環をわかりやすく説明します

胎児の血液循環は、特殊であり、『卵円孔、動脈管』など、特殊な循環経路が存在します。したがって、私たちの体外循環とは大きく異なります。

胎児の循環を説明する前に、私たちの通常の血液循環について、復習しておきましょう。

目次(クリックすると移動します)

通常の循環

私たちの心臓は、以下のような形状をしています。心臓は、血液を循環させる働きがあり、一分間に、体重の8%程度の血液を拍出しています。

心臓には、『大動脈・肺動脈』『上大静脈・下大静脈・肺静脈』などの血管があります。動脈というのは、心臓から血液を送り出す血管のことを言います。反対に、静脈というのは、心臓に血液が戻ってくる血管のことを言います。
心臓
血液の循環は、以下のようになります。



血液循環

血液の循環は、肺循環と体循環に分かれています。上の図について少し詳しく説明します。

肺循環

肺循環は、静脈血を肺で酸素化させる循環経路です。
流れとしては、全身から戻ってきた、血液は、まず右心房に入ります。そして以下の経路で血液が肺を通って酸素化されます。

右心房⇒右心室⇒肺動脈⇒肺⇒肺静脈⇒(左心房)

このような、静脈血が肺を通って、酸素化されて心臓に再び戻ってくる循環を肺循環といいます。

体循環

体循環は、肺循環によって酸素化された血液を、脳や臓器、末梢の組織に送り込む循環をいいます。
左心房⇒左心室⇒大動脈⇒全身⇒下大静脈・上大静脈⇒(右心房)

このように、酸素化された血液を全身に送り込んで、再び血液が右心房に戻ってくるまでを体循環といいます。

それでは、次に本題の胎児の循環について紹介します。

胎児の循環の流れ

胎児の循環を簡略図で書くと以下のようなイメージです。実際に下の図をみて書いてみると頭に入りますよ。

注目してほしいのは、右心房と右心室の間に卵円孔という穴が開いています。また、肺動脈と大動脈が動脈管でつながっています。

2小児肺循環簡略

それでは、簡単に胎児の循環の流れを紹介します。

まず、酸素化された血液が母親の臍静脈から、胎児の下大静脈につながって送られてきます。酸素化された血液は、右心房に入ります。

胎児は、右心房と左心房は卵円孔でつながっている為、右心房から左心房に多くの血液が流れます。もちろん、右心房から右心室にも血液は流れます。

右心室に流れた血液は、肺動脈から肺に行こうとしますが、胎児の肺動脈は狭窄しているため、ほとんど肺に血液は流れません。肺動脈からの、血液は肺に流れずに、動脈管を通って、大動脈に流れます。大動脈から、全身に血液が送られます。

ちなみに右心房から左心室に流れた血液は、左心室に移動して、大動脈により全身に送られます。そして、全身に送られた血液は、胎児の各組織に酸素を供給します。

酸素を供給後、全身から戻ってくる血液は、臍動脈を通って、母親に送られます。また、一部は、胎児の右心房に戻ります。

大まかな、胎児循環は以上になります。呼吸療法認定士の試験対策での胎児の循環の知識としては、この程度でオッケーです。

胎児循環について、ネットでもう少し見やすい図を見つけたのでそれも紹介します。

胎児循環Ⅲ
(http://shutoku.fc2web.com/digital_textbook/obsterics_gynecology/pregnancy.htmlより引用)


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