機能的残気量(FRC)の測定方法

機能的残気量(functionalresidual capacity;FRC)は、スパイロメータで測定することができません。測定には、別の専用の機械を使用する必要があります。FRCを測定する方法は、3つの方法があり『ヘリウム閉鎖回路法』『窒素洗い出し開放回路法』『体プレチスモグラフ法(ボディボックス法)』というのがあります。それぞれどのような検査なのか簡単に説明します。

それぞれの測定の原理を詳しく知りたい方は、日々是好日~ゆっくりゆっくり生理学~ にてわかりやすく紹介されているので参照してください。

ヘリウム閉鎖回路法

方法

ヘリウム閉鎖回路法は、ヘリウムガスを使用してFRCを測定する方法です。密閉回路内のヘリウムガスを繰り返し吸って、ヘリウムガスの希釈率よりFRCを測定します。一般的には、こちらの方法が広く行われています。

欠点

鼓膜穿孔などで中耳と外界が解放されている場合は、耳からヘリウムガスが抜けるため正確な測定ができない

・肺のブラなど気道とつながっていない部位の残気量は測定できない。

閉塞が強い患者の場合は、ヘリウムガスが肺内に均等に分布しない為、正確な測定ができない場合がある。

N2(窒素)洗い出し開放回路法

方法

100%の純酸素で呼吸して肺内の窒素(N2)を全て除去します。そして、除去された窒素の量から残気量を測定します。

欠点

閉塞が強い場合や、低酸素状態の場合は、急激に高濃度の酸素を吸引することによりCO2ナルコーシスを発症する危険がある。

体プレチスモグラフ法

虎の門病院HP(虎の門病院HPより)

方法

こちらの方法は、患者さんに密閉した大きなボックスに入ってもらい、ボイルの法則を利用して測定する方法です。

利点

・他の方法と比較して、不均等喚起の激しい患者でも正確に測定できる。

・気道とつながっていないブラを含む残気量を測定することができる。

欠点

・介助者が必要な場合はボックスに入る必要があるので、測定が困難である。

・閉所恐怖症の場合ボックスに入ることができない。

・体格が大きすぎるとボックスに入ることができない。

(参考文献・引用)

3学会合同呼吸療法認定士認定講習会テキスト


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