コンプライアンスの測定法

コンプライアンスとは

コンプライアンスにについては、3章(呼吸の整理)でも簡単に紹介しました。ここでは、呼吸器などを使っていない場合の測定方法について紹介します。

まず肺を広げる圧力は、胸腔内圧と肺胞内圧の差により決まります。この圧力の差のことを、経肺圧といいます。

※図を挿入

経肺圧の増加に対して、どの程度肺容量が増加していくかというのがコンプライアンスです。

コンプライアンス=肺容量の変化/経肺圧

コンプライアンスは、弾性を表す概念であり肺の伸びやすさを表します。

コンプライアンスの測定法

コンプライアンスの測定法には、呼吸を段階的に止めながら測定する静肺コンプライアンス(Cst)と、呼吸を止めることなく連続的に測定する動肺コンプライアンス(Cdyn)があります。

それぞれの測定方法を順番に紹介します。

静肺コンプライアンス

最大吸気位から呼吸停止を繰り返しながら段階的に呼出して、その間に肺気量と経肺圧を測定します。肺容量は、スパイログラフィやボディプレチスモグラフィにより測定します。

気道内圧は、鼻からバルーンカテーテルを挿入して食道内圧を測定して代用します。

食道バルーンカテーテルの画像

食道カテーテル

Cstは肺の固さを反映します。正常値は、0.1~0.3L/cmH₂Oです。

動肺コンプライアンス

連続的な呼吸中に肺コンプライアンスを測定する方法です。吸気開始時と吸気終了時の間の肺気量差と圧差を測定して計算します。

Cdynは、Cstより若干小さな値を示します。換気の不均等より、末梢気道病変の検出に有効とされています。

まとめ

  • 静肺コンプライアンスは、肺の固さを反映する。正常値は、0.1~0.3
  • 動肺コンプライアンスは、抹消気道の病変を反映する。

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