気体は、温度・圧力・湿度によって体積が変化します。その為、呼吸検査で容量を表すときには一定の基準が必要です。
現在の呼吸療法で使われるのは、『BTPS,ATPS,STPD』の3つの基準です。以下の表のように定められています。
略語 | 温度 | 気圧 | 湿度 |
BTPS | 37℃ | 測定時気圧 | 100% |
ATPS | 測定時室温 | 大気圧 | 100% |
STPD | 0℃ | 1気圧 | 0% |
それぞれの条件や、どのような時に使うかを確認していきましょう!
目次(クリックすると移動します)
略語の意味と見方
試験では
- 「BTPS、ATPS、STPD」それぞれの意味
- どのような場合(検査)に使うのか
などが出題されます。
それぞれの意味については略語の意味を覚えておくと記憶に残りやすいでしょう。
ちなみに、この略語の表し方ですが1文字目が測定場所、4文字目が湿度の状態を表します。
(したがって、1文字目と4文字目の略語の意味が分かればど気体の条件が分かります。)

略語の味方
2文字目のTは、temperature(温度)、3文字目のPはpressure(圧力)で全て共通です。
よって、1文字目の場所に対する「温度と圧力」そして、4文字目が「湿度」を表します。
使われる略語は以下の通りです。
BTPS(Body Temperature ambient Pressure Saturated with water vapor)
BTPSのBは、body(体)を表します。Sは、saturated(ずぶぬれの)という意味で湿度が100%を表します。これは、体内(気道)のガスの状態を表す条件となっています。
具体的には、『体温37℃、測定時気圧、飽和水蒸気(湿度100%)』という条件です。
肺活量などの肺気量分画や換気量などの体内の容量を測定する肺機能検査に用いられます。
ATPS(Ambient Temperature ambient Pressure Saturated with water vapor)
ATPSのAは、ambient(周囲の)という意味です。口から吐き出されたガスや、人工呼吸器から送り出されるガスなどがATPSとして表されます。
具体的には『測定時温度、大気圧、飽和水蒸気(湿度100%)』での気体の状態を表します。
気量型のスパイロメータ(気量を実測するタイプのスパイロメータ)、ライトのレスピロメータによる測定値、ベンチレータで設定した換気量は、ATPSで表されます。
STPD(Standard Temperature standard Pressure and Dry)
STPDのSは、standard(標準)という意味です。また、Dは、dry(乾燥)という意味で湿度0%を表します。
具体的には、『標準温度0℃、標準気圧(1気圧)、乾燥状態(湿度0%)』での気体の状態を表します。
STPDは、酸素摂取量、二酸化炭素排出量、拡散能などを表すときに使用されます。
まとめ
- BTPSは、体内のガスを表す。
- ATPSは、周囲のガス(吐き出したガスや呼吸器のガス)の状態を表す。
- STPDは、標準状態のガスの状態を表す。
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