今回は、肺の入り口である気管支から末端の肺胞嚢までの解剖を上から順番に説明していきます。

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気管と気管支
体表面から、気管のおおよその位置が分かるようになっておきましょう。
気管は第6頸椎下縁で始まり、第4-5胸椎の高さで左右の主気管支に分岐します。
また、左と右で気管支の角度と長さが違います。主気管支の延長線上からなす角度が右は25℃で短くて太い、左は45℃であり長くて細い。
(左気管支の角度は、心臓を避けるような角度になっている。)

その為、誤飲などした異物は右気管支に入りやすい。また、片肺挿管などの事故では右気管支で起こりやすい。
成人の気管から気管分枝部までの長さは、約10~12cm、内径は16mmです。新生児や乳幼児のサイズも重要なので下の表を覚えておいてください。
気管支のサイズ | ||
長さ | 内径 | |
成人 | 約10~12cm | 16mm |
乳幼児 | 約5cm | 10mm |
新生児 | 約4cm | 5mm |
次は、気管の断面図について。
気管を水平方向に輪切りにすると下のような形になっています。
気管の横断面は、丸型ではなく、U字型(C字型)になっています。馬のひづめの形にも似ているので、馬蹄形とかと言ったりもしますね。
そして、気管の前面から後面にかけて気管軟骨があります。軟骨は、固さがあるので気管が潰れるのを防いでいます。この気管軟骨は、気管が5~6分岐した小気管支まで存在します。細気管支以降は、軟骨がありません。

肺葉、肺区域
気管支が分岐した次は、葉気管支と呼ばれます。
右気管支は、上葉気管支、中葉気支、下葉気管支の3つに分かれます。
左気管支は、上葉気管支、下葉気管支の2つに分かれます。
そして葉気管支がさらに分岐した先は、区域気管支といいます。区域気管支の数も試験に出題されることがあります。それぞれの葉気管支から、何本の区域気管支が出ているかもチェックしておきましょう。


肺区域~肺胞まで
区域気管支以降も、分岐を繰り返します。
「区域気管支→亜区域気管支→小気管支→細気管支→終末細気管支→呼吸細気管支→肺胞管→肺胞嚢」というように名前が付いています。これらの順番も覚えましょう。
下の表から、問題が過去たくさん出題されています。下の表は、しっかり確認しておいてください。

呼吸療法認定士テキストより引用
ちなみに過去に出題されたのは、以下の内容です。まずは、最初に覚えておきましょう。
- 軟骨、粘液線があるのは、小気管支までです。
- 線毛があるのは、終末細気管支までです。
- 細気管支の内径は、約1mm程。
- 気管から16分岐して終末細気管支になる。
- 鼻・口から終末細気管支までが気道である。
- 呼吸細気管支から肺胞が出現する。

気管支の解剖まとめ
今回の学習内容は、覚えることが非常におおく大変だと思います。
一度に全部覚えるのは大変なので、過去問を解きながら出題された内容から順番に覚えると良いでしょう。繰り返し過去問を解きながら雪だるま式に知識を増やしていきましょう。
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