呼吸療法認定士の勉強を、途中でつまづくことなく行うには段階を追って学習すると良いです。
具体的な方法としては
- 呼吸療法の基礎を簡単に学習
- 過去問+標準テキストor新呼吸療法
- 標準テキストの熟読
というように行うと良いでしょう。具体的な学習方法については、以下に紹介していきます。
呼吸療法認定士の試験内容と特長
試験の範囲は、講習会のテキストを参考に出題されます。丸暗記だけ手で解ける問題も少々ありますが、引っ掛け問題や、状況把握問題といった複雑な問題が出題されます。
したがって、知識の丸覚えや過去問を繰り返し説くだけでは、合格することが難しいです。最初は、丸覚えでもいいですが、勉強を進めていくうちに、なぜそうなるのかといった理由なども理解できるようにならなければいけません。また、講習会のテキストは、毎年更新されていますが、それほど大きな変更はありません。
講習会のテキスト内容は、以下になります。テキストは、500ページ程あり、膨大な情報量です。
- 呼吸療法総論
- 呼吸管理に必要な解剖
- 呼吸管理に必要な生理
- 血液ガスの解釈
- 呼吸機能とその検査法
- 呼吸不全の病態と管理
- 薬物療法
- 呼吸リハビリテーション
- 吸入療法
- 酸素療法
- 人工呼吸療法の基本構造と保守及び医療ガス
- 気道確保と気道管理
- 人工呼吸とその適応・離脱
- NPPVとその管理法
- 開胸・開腹手術後の肺合併症
- 新生児・乳幼児の呼吸管理
- 人工呼吸中のモニタ
- 呼吸不全における全身管理
- 人工呼吸中の集中管理
- 在宅人工呼吸
※2018年度のテキストからは、少々改定されたようで「生命倫理」と「小児の呼吸管理」という項目が追加されたようです。再受験者の方は注意しましょう。
講習会のテキストは、講習会に申込すると7~8月頃に郵送されます。試験は、11月の下旬なので、テキストが届いてから試験まで学習する期間はかなり限られてしまいます。確実に合格したいという場合は、3学会合同呼吸療法認定士認定委員会が販売している新呼吸療法テキスト(Amazon)を利用するのがおススメです。
こちらは、過去に呼吸療法認定士を取得した人を対象に、時代の流れとともに新しくなった呼吸療法について、再学習してもらう為に、発行されたテキストです。
したがって、呼吸療法認定士のテキストと内容が非常に似ています。さらに、各章の単元ごとに「KYEPOINT」として、重要事項が端的にまとめられています。標準テキストだけで学習していると、内容が膨大すぎて最低限どこを覚えればいいかわからなくなってしまいます。
まずは、この書籍でKYEPOINTを中心に暗記・理解していけばいいでしょう。
呼吸療法認定士の勉強法手順
社会人の場合、なかなか時間が取れないため、1年前くらい前からはじめると余裕をもって学習できます。特に、既婚者や家族を持っているとなかなか自分の時間を作ることができません。最低でも、半年以上前から試験勉強を始めましょう。
間違っても、講習会で内容を理解しようと思ってはいけません。講習会は早口でテキストを読むだけの講義です。おそらく95%の人は、ほとんど理解できないまま終わることでしょう。
正直、自分のペースでテキストを読むほうがよっぽど理解できます。ただ、限りある時間の中で項目を絞って説明しているので最重要なポイントであることは間違いありません。
講習会までに過去問集を一通りくらいは解き終えておきましょう。講習会までにある程度理解しておき、講習会では話している内容や説明しているページに蛍光ペンでチェックするという感じで利用するべきだと感じます。
①基礎知識を身に着ける
試験まで、ある程度の時間的余裕がある場合は、呼吸療法の簡単な書籍を購入して呼吸療法の重要事項の知識を理解しておくと良いでしょう。いきなり過去問を学習するより、理解が深まります。最低限、呼吸療法の土台となる『解剖、呼吸生理、血液ガス』の分野についてはざっくり(国試の学習レベル程度で良いので)復習しておきましょう。この3つをあるていど理解していないと他の分野が理解できません。
以下の3冊のうちどれでも良いです。学生の時に使っていた、呼吸療法のテキストがあるならそれでもいいです。
『書籍を購入して、勉強する時間がない!』という場合は、eランニング(動画)で学べる呼吸療法認定士専用の対策動画(参照:eランニング)がおススメです。実は、私自身は現在これを受講している最中です。
呼吸療法認定士の取得後は、院内・外で勉強会などで講師をする機会ができました。しかし臨床では、関わらない部分については忘れてしまうことがあるので、日々勉強を続けていくことが大切です。
eランニングでは、呼吸療法認定士の試験範囲である全20分野について、10分の動画が54個を視聴することができます。各講義で、試験の出題ポイントについても、教えてくれるので要領よく試験勉強をすることができます。
机に座って、どっしりと勉強するという使い方以外にも、「出勤中の車内で流し聞きしたり、休憩中や移動時間の空き時間にスマホで再生したり、寝る時に再生したり・・(睡眠学習?)」などなど、勉強したくてもなかなか時間が取れない。という人におススメです。
ちなみに、この講座の受講者の試験合格率はおよそ9割だそうです。全国平均が毎年6割程なので効果的なことは間違いないです。
こちらの動画は、初心者にも理解できるように画像と易しい言葉で解説してくれます。(話すスピードも、遅くしたり、速くしたり調整できます)繰り返し、何度でも聞くことができるので、記憶に残りやすくスムーズに学習ができます。
あと、このeランニング講座用のテキスト(青いやつ)が絶品です。呼吸療法認定士のテキストの重要事項が簡潔にまとめられています。動画講座は不要という人でも、このテキストだけでも持っておくと知識の整理が楽で学習効率が上がると思います。
②過去問題集を繰り返し解く
一通り基礎知識の学習が終わったら、過去問題を解きましょう。過去問題集は、5択の選択問題になっています。答えだけ覚えるのでなく、誤っている選択肢も、どこが間違っているのかなどもわかるようにしましょう。
過去問題集は、いろいろな出版社から発売されています。どれを買えばいいか迷うと思いますが、結論としてはアステッキの再現過去問題集の基本編と応用編の2冊を購入するのがコスパがいいです。
ただ、他の問題集も気になるという方の為に、各社の問題集の特徴を紹介します。
①呼吸療法認定士再現過去問集(アステッキ)
上でも紹介した、eランニングの講座を作っている会社(アステッキ)の問題集です。問題の搭載数が多いのが特徴です。基本編(約335問)、応用編(約339問)の計2冊の問題集を販売しています。章ごとにeランニング動画講座を見て、過去問を解くとかなり効率的に学習できます。
2019年度版からは、スマホアプリからも学習できるようになりました。
動画講座用テキストのみの購入は、アステッキのページで販売しています。動画と過去問をセットで購入するならフルボックスパック
を利用するといいです。
②呼吸療法合格チャレンジ(メディカ出版)
メディカ出版の問題集は、全ページカラーで、図やイラストが最も充実してます。ただし、問題数が少ない(約200問)ので他の問題集と併用しないとこのテキストだけで合格するのは難しいように感じます。図とイラストが多いので他の参考書なしでも単独で学習しやすいと感じました。
2019年度版は、まだ発売されていないようです。
- 2017-2018 呼吸療法認定士“合格チャレンジ”100日ドリル
(Amazon)
③呼吸療法認定士確かめドリル(日総研)
日総研のテキストは、1問1問の解説量が多めです。文字の説明は多いですが、イラストや図の搭載が少ないので、標準テキストや解剖学の本と併用しながら使用すると良いです。問題→解説→問題→解説と順番になっているのでページをめくるのは楽でした。
- 問題数は、約300問。2019年度版は、まだ発売されていないようです。
呼吸療法認定士攻略2018 試験対策たしかめドリル
(Amazon)
③講習会テキストを読む
過去問題集で、重要事項を覚えたら講習会のテキストを読みましょう。はじめから講習会のテキストにとりかかると、ページ数が多すぎて挫折してしまいます。過去問を解きながら、調べた部分に蛍光ペンでチェックしていくと、テキストの重要ポイントが分かります。
重要ポイントの前後の文章も熟読して、余裕があれば覚えましょう。結局のところ、試験はテキスト全体からまんべんなく出題されます。テキストの内容全ては、どれも重要なことばかりなのでテキストを熟読するのが一番大切です。
ある程度の、重要ポイントを理解できてくると、すらすらと読めるのでそれほど時間もかからないでしょう。
呼吸療法認定士の勉強法のまとめ
呼吸療法認定士の試験は、コツコツと学習を積み重ねていれば必ず合格することができる試験です。毎日、少しでも学習する時間を決めて早めに学習を始めましょう。
最後に、まとめますが呼吸療法認定士の学習手順は、
- 基礎学習(解剖、血ガス、呼吸生理)
- 過去問を数周解く
- テキスト熟読
の3ステップです。
この順番に従って勉強すると、スムーズに学習できます。
効率的に学習するには、少しお金がかかりますがeランニングを利用したフルボックスパックもおススメです。
<追記>
呼吸療法認定士のwebアプリ(クイズ)を作りました!これらは、試験に頻出なので良かったらご利用ください。完全無料です。