試験には、受験料や交通費など、多くのお金が必要です。職場での評価にも影響するので、できれば一発で合格したいと考えている人が大半だと思います。
ここでは、どのように学習すれば合格できるのかについて紹介します。
目次(クリックすると移動します)
試験に合格するには
試験に合格する重要なポイントは、2つです。
『勉強時間を確保する』『効率的に学習する』
当たり前のことですが、私の周囲で試験に失敗している人はこれができていないと感じます。特に、看護師さんの場合は、勤務が不規則なので勉強時間を確保したり習慣化したりするのが難しいように感じます。
勉強時間を確保するには、できるだけ早い時期から学習を始めることです。1日に確保できる勉強時間にもよりますが、1日に2時間くらいとするなら半年前から始めると余裕があると思います。
間違っても、講習会で内容を理解しようと思ってはいけません。講習会は早口でテキストを読むだけの講義です。おそらく95%の人は、ほとんど理解できないまま終わることでしょう。
そして、いつ勉強をするのかというのも決めておくといいです。仕事から帰ってからだと、くたくたになり頭が働かないとう場合が多いと思います。私の場合は、平日は早く起きて、仕事に行く前に学習しました。
具体的な学習方法
試験範囲について
試験の範囲は、講習会のテキストを参考に出題されます。丸暗記だけ手で解ける問題も少々ありますが、引っ掛け問題や、状況把握問題といった複雑な問題が出題されます。
したがって、知識の丸覚えや過去問を繰り返し説くだけでは、合格することが難しいです。最初は、丸覚えでもいいですが、勉強を進めていくうちに、なぜそうなるのかといった理由なども理解できるようにならなければいけません。また、講習会のテキストは、毎年更新されていますが、それほど大きな変更はありません。
講習会のテキスト内容は、以下になります。テキストは、500ページ程あり、膨大な情報量です。
- 呼吸療法総論
- 呼吸管理に必要な解剖
- 呼吸管理に必要な生理
- 血液ガスの解釈
- 呼吸機能とその検査法
- 呼吸不全の病態と管理
- 薬物療法
- 呼吸リハビリテーション
- 吸入療法
- 酸素療法
- 人工呼吸療法の基本構造と保守及び医療ガス
- 気道確保と気道管理
- 人工呼吸とその適応・離脱
- NPPVとその管理法
- 開胸・開腹手術後の肺合併症
- 新生児・乳幼児の呼吸管理
- 人工呼吸中のモニタ
- 呼吸不全における全身管理
- 人工呼吸中の集中管理
- 在宅人工呼吸
※2018年度のテキストからは、少々改定されたようで「生命倫理」と「小児の呼吸管理」という項目が追加されたようです。再受験者の方は注意しましょう。
講習会のテキストは、講習会に申込すると7~8月頃に郵送されます。試験は、11月の下旬なので、テキストが届いてから試験まで学習する期間はかなり限られてしまいます。
早めに学習したい場合は、受験したことがある人に講習会のテキストを借りると良いです。
知り合いがいない場合は、3学会合同呼吸療法認定士認定委員会が販売している新呼吸療法テキスト(Amazon)を利用するのがおススメです。
こちらは、過去に呼吸療法認定士を取得した人を対象に、時代の流れとともに新しくなった呼吸療法について、再学習してもらう為に、発行されたテキストです。
(すでにこのテキスト自体が古くなっていますが、基本的な呼吸療法の理論は同じです)
したがって、呼吸療法認定士のテキストと内容が非常に似ています。さらに、各章の単元ごとに「KYEPOINT」として、重要事項が端的にまとめられています。標準テキストだけで学習していると、内容が膨大すぎて最低限どこを覚えればいいかわからなくなってしまいます。
基礎分野については、この書籍でKYEPOINTを中心に暗記・理解していけばいいでしょう。
- 呼吸療法の基礎を簡単に学習
- 過去問+標準テキストor新呼吸療法
- 標準テキストの熟読
というように行うと良いでしょう。具体的な学習方法については、以下に紹介していきます。
1~2を行えば、基本的には合格出ます。3まで出来れば、高得点で合格できるでしょう。
呼吸療法認定士の勉強法手順
①基礎知識を身に着ける
試験まで、半年以上余裕がある場合は、呼吸療法の簡単な書籍を購入して呼吸療法の重要事項の知識を理解しておくと良いでしょう。(早めに学習を始めた場合、過去問も販売されていない場合もあります。)
基礎学習をしていれば、いきなり過去問を学習するより、理解が深まります。最低限、呼吸療法の土台となる『解剖、呼吸生理、血液ガス』の分野についてはざっくり(国試の学習レベル程度で良いので)復習しておきましょう。
この3分野をあるていど理解していないと問題集の解説だけでは理解できないと思います。
以下の3冊のうちどれでも良いです。学生の時に使っていた、呼吸療法のテキストがあるならそれでもいいです。
また、当サイトでは基礎分野に関してはテキストよりも丁寧に解説しています。(解剖、呼吸の整理、血液ガス分析の記事を順番に読んでみてください。⇒呼吸療法認定士の攻略サイト)
『書籍を購入して、勉強する時間がない!』という場合(試験まで3ヶ月を切って勉強を始めた場合)は、eランニング(動画)で学べる呼吸療法認定士専用の対策動画(参照:eランニング)がおススメです。
私も体験で実際に受講してみました。
eランニングでは、呼吸療法認定士の試験範囲である全20分野について、10分の動画が54個を視聴することができます。各講義で、試験の出題ポイントについても、教えてくれるのでどこを覚えればいいのかが、はっきりします。
この講義と過去問を併用しながら学習すると良いです。例えば、『一つの分野を聞き終わるごとに、過去問の同一分野の学習をする』というように使います。
机に座って、どっしりと勉強するという使い方以外にも、「出勤中の車内で流し聞きしたり、休憩中や移動時間の空き時間にスマホで再生したり、寝る時に再生したり・・(睡眠学習?)」などなど、勉強したくてもなかなか時間が取れない。という人におススメです。
ちなみに、この講座の受講者の試験合格率はおよそ9割だそうです。全国平均が毎年6割程なので効果的なことは間違いないです。
こちらの動画は、初心者にも理解できるように画像と易しい言葉で解説してくれます。(話すスピードも、遅くしたり、速くしたり調整できます)繰り返し、何度でも聞くことができるので、記憶に残りやすくスムーズに学習ができます。
あと、このeランニング講座用のテキスト(青いやつ)が絶品です。呼吸療法認定士のテキストの重要事項が簡潔にまとめられています。動画講座は不要という人でも、このテキストだけ持っておくと知識の整理が楽で学習効率が上がります。
②過去問題集を繰り返し解く
一通り基礎知識の学習が終わったら、過去問題を解きましょう。過去問題集は、5択の選択問題になっています。答えだけ覚えるのでなく、誤っている選択肢も、どこが間違っているのかなどもわかるようにしましょう。
過去問を解いていると、わからない言葉もたくさん出てきます。過去問集の解説だけでは、説明が足らないこともあるのでそういう場合は、標準テキストの索引ページから調べましょう。(テキストが届くまではインターネットで調べたのでもかまいません)
調べた部分に線などを引いておけば、あとでテキストを熟読するときに重要ヵ所がよくわかります。
ちなみに過去問題集は、いろいろな出版社から発売されています。どれを買えばいいか迷うと思いますが、結論としては、どれでもいいです。
いろいろ購入して比べましたが、どれも中身はほとんど似通っています。時間に余裕がある人は問題数が多いものを選ぶと良いでしょう。
ちなみに、認定士の過去問として青本というのが有名なものがあります。ただし、解説がほとんどないので誰か指導してくれる人がいないと挫折するのでやめておいたほうが無難です。私は使っていません。
(私は、青本の透析技術認定士バージョンを購入したことがあります。解説がないのでなぜそうなるのかが分からないのであまり役に立ちませんでした。)
アステッキ社は、基本編と応用編で700問くらいになります。
メディカ出版は、基礎内容の理解に特化した内容となっています。カラーで図やイラストが多いので理解しやすいです。ただし、問題数が200問程と少ないので、他の問題集と併用する必要があります。テキストが届くまでの基礎学習などには良いかもしれません。
日総研は、400問程です。問題⇒解説⇒問題⇒解説と交互になっているので、ページをめくるのが楽です。
③講習会テキストを読む
過去問題集を数周(3回くらい)終えたら、講習会のテキストも熟読しましょう。ある程度、過去問をこなせていたら、頭に入りやすいと思います。
重要ポイントの前後の文章も熟読して、余裕があれば覚えましょう。結局のところ、試験はテキスト全体からまんべんなく出題されます。
テキストの内容全ては、どれも重要なことばかりなのでテキストを熟読するのが一番大切です。
呼吸療法認定士の勉強法のまとめ
呼吸療法認定士の試験は、コツコツと学習を積み重ねていれば必ず合格することができる試験です。毎日、少しでも学習する時間を決めて早めに学習を始めましょう。
最後に、まとめますが呼吸療法認定士の学習手順は、
- 基礎学習(解剖、血ガス、呼吸生理)
- 過去問を数周解く
- テキスト熟読
の3ステップです。
この順番に従って勉強すると、スムーズに学習できます。
効率的に学習するには、少しお金がかかりますがeランニングを利用したフルボックスパックもおススメです。
<追記>
呼吸療法認定士のwebアプリ(クイズ)を作りました!これらは、市販の過去問を編集して作成しています。
このクイズだけでも、テキスト一冊分の分量があります。テキストが販売すされるまでの学習や隙間時間の学習にご利用ください。
分からない問題や、質問がありましたらお気軽にコメント欄から連絡ください。
最近のコメント