今回は、血液ガス項目の正常値(代表値)を紹介します。
目次(クリックすると移動します)
正常値
- Pao2
80mmHg以上 - Paco2
40±5mmHg - 動脈血ph
7.40±0.05 - Pvo2
40mmHg - Pvco2
45mmHg - A-aDo2
20mmHg以下 - Pao2/FIo2
400mmHg以上(20%酸素下にて)
解説
Pao2

PAO2とPaO2
動脈血酸素分圧です。これは、肺でガス交換された直後の血液なので高い酸素分圧になります。
肺の状態を反映します。
Paco2

動脈血二酸化炭素分圧です。肺でガス交換された直後の血液なので二酸化炭素分圧が低下しています。
換気量が増えるとPaCo2は低下して、換気量が減ると増加します。換気が正常にできているかを知る指標となります。
動脈血ph
phというのは、血液中の水素イオン濃度を表す値です。生命活動を維持するためには、一定の範囲に収まっておく必要があります。phの調整は、呼吸や腎臓により調整されます。詳しくは、〇〇で説明します。
ちなみにphの値は、対数で表されます。その為、数値が高ほど水素イオン濃度が低いことを表します。
Pvo2
混合静脈血酸素分圧です。全身に酸素を供給し終えて心臓に戻ってくる血液です。酸素分圧が低下しています。
Pvco2
混合静脈血二酸化炭素分圧です。全身を循環して、心臓に戻ってくる直前の血液です。細胞からCo2を受け取るため少し上昇しています。
A-aDo2

PAO2とPaO2の差です。健康な肺であれば、ガス交換がスムーズに行われるため同じくらいの数値になります。(室内吸気の場合)
肺胞の状態の指標になります。
ちなみにA-aDo2は、吸入酸素濃度が増加すると値が大きくなるので室内吸気(酸素濃度21%)の場合でのみ使われます。高濃度酸素吸入中の、評価は下のPao2/FIo2を使います。
Pao2/FIo2
酸素化指数といいます。高濃度酸素投与中の肺状態の評価に使います。FIO2は、酸素濃度を表します。
100%酸素の場合は、FIO2=1.0、20%酸素では、FIo2=0.2というように表します。
20%の室内で、PaO2が80㎜Hgの場合は
Pao2=80、FIo2=0.2を代入して、
Pao2/FIo2=80/0.2=400となります
年齢、性別による違い
PaO2、PaCO2の正常値は、身長、年齢により異なります。
A-aDO2の正常値は、身長、年齢、性別により異なります。これらは、計算式により求めることができますが臨床では、一般的な正常値を覚えていれば問題ないです。
まとめ
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