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血液ガスとは
血液ガスというのは、血液中に溶けたガス(空気)のことです。空気中のガスの分圧と同様に「mmHg」という単位で表します。
血液ガスは、採血した血液を血液ガス分析装置を使って検査します。それにより、「O2」「CO2」「ph」などがどの程度含まれるかが分かります。ガス交換が正常に行われているかを調べることができます。
具体的な血液ガス
臨床の現場で、実際に良く測定する血液ガスが酸素と二酸化炭素です。それぞれがどのようなものなのかを説明します。
血液ガス(酸素)
血液中の酸素は、「ヘモグロビンに結合したものと、単独で存在する酸素」に分類されます。血液ガス分析装置で測定されるのは単独で存在する酸素のみです。

酸素の血液ガス
約99%の酸素はヘモグロビンに結合しています。
3章の復習となりますが、動脈血に含まれる酸素の量は、以下の式で求めることができます。

酸素含有量の式
式の左側がヘモグロビンと結合した酸素(結合酸素)の量、式の右側が溶存酸素の量になります。式をみれば、溶存酸素の割合が少ないのが分かると思います。
参照:酸素運搬の因子
二酸化炭素
二酸化炭素は、血液中では3つの状態で存在します。

動脈血100mL中のCO2
CO2分圧とCO2含量の関係は、ヘマトクリット、タンパク質、酸素飽和度などにより変化します。
特に、酸素飽和度が低いほど、緩衝性が強くなり、二酸化炭素含有量が増えます。(ホールデン効果)
O2とCO2の解離曲線の違い
O2解離曲線とCO2の解離曲線の違いについてもよく試験に出題されます。

酸素と二酸化炭素の含有量
- CO2の方が、含量が多い。
- CO2は勾配が急です。
これが何を意味するかというと・・・、
血液は、酸素より二酸化炭素を運ぶ能力が高いということです。図をみると、血液中に含むことができる二酸化炭素の量は酸素の3倍くらい多いですね。
したがって、人間の体はCO2を運搬するのは余裕があります。呼吸状態が悪くなった時にも二酸化炭素の排出は障害されにくいということです。
呼吸状態が悪化した場合、まずは血液中の酸素が低下して、さらに重症化してくると二酸化炭素が上昇します。
まとめ
- 血液ガスとは、血液中に溶けたO2やCO2などのガス
- 血液は、O2よりもCO2の運搬能力が高い
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