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β刺激薬とは
β刺激薬は、気管支を広げる、気管支拡張剤として使用されます。投与方法としては、吸入、経口摂取、注射、テープなどで投与されます。
作用機序については、β2アドレナリン受容体を活性化させて、気管支平滑筋を弛緩させます。気管支拡張剤は、『β2刺激薬、テオフィリン、抗コリン剤』の3つに分類されます。今回は、β2刺激薬について紹介します。
β刺激薬の世代別一覧
β刺激薬は、開発された時期により、世代が分けられます。数字が大きいほど新しくなります。呼吸療法認定士などの試験では、商品名でなく一般名称で出題されますので、一般名称を覚える必要があります。
また、作用時間についてもよく出題されますので、長時間作用する薬などは確実に覚えておきましょう。
世代 | 一般名 | 商品名 | 作用時間 |
1 | アドレナリン | ボスミン | <1 |
1 | エフェドリン | エフェドリン | 4 |
1 | イソプロテレノール | アスプール メジヘライソ プロタノール |
<1 |
1 | メタプロテレノール (オルシプレナリン) |
アロテック | 4 |
2 | サルブタノール | ベネトリン サルタノール |
4~5 |
2 | テルブタリン | ブリカニール | 4~6 |
3 | プロカテロール | メプチン | 8~10 |
3 | ツロブテロール | ホクナリン ベラチン |
8 |
3 | フェノテロール | ベロテック | 8 |
3 | ピルブテロール | エクシレール | 7~8 |
3 | ホルモテロール | アトック オーキシス |
10 |
3 | マブテロール | ブロンコリン | 8~10 |
3 | クレンブテロール | スピロペント | 10~12 |
3 | サルメテロール | セレベント | 12 |
3 | インダカテロール | オンブレス | 24 |
3 | ビランテロール | ― | 24 |
(第20回3学会合同呼吸療法認定士認定講習会テキスト 表7-1主なβ刺激薬の種類 一部改変)
β2刺激薬の使い方と注意点
β2刺激薬は、上記のようにたくさんの薬剤が承認され販売されています。
第3世代の長時間作用型吸入β2刺激薬(LABA)は、COPD治療の第一選択薬として使用されたり、喘息治療ではステップ2以上の治療薬として使用されます。
これに対して、第1,2世代の短時間作用型β2刺激剤(SABA)は、軽症のCOPDや喘息発作の治療薬として使用されます。
β2刺激薬使用時の注意点として、必ず覚えておいてほしいことは、喘息患者に対する服用方法です。喘息患者に対して、β2刺激薬を単独で服用させると、心血管系の合併症の発症率が増加すると報告されています。
これを防ぐために喘息患者には、吸入ステロイドとβ2刺激薬を併用して使用する必要があります。
(参考文献)
第20回3学会合同呼吸療法認定士認定講習会テキスト
攻略2015呼吸量認定士たしかめドリル
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