気管支喘息急性発作の治療法

治療方法は、「小発作・中発作・大発作」で分類されます。それぞれの対処方法を覚えていきましょう。

発作強度は、主に呼吸困難の程度により分類します。

  • ぜん鳴・・急ぐと苦しい
  • 小発作・・苦しいが横になれる
  • 中発作・・苦しくて横になれない
  • 大発作・・苦しくて動けない
  • 重篤・・呼吸減弱、チアノーゼ、呼吸停止

目次(クリックすると移動します)

小発作

小発作は、自宅で治療します。MDI(定量式噴霧器)にて短時間型β2刺激薬を吸入します。1回2吸入を20分ごとに繰り返して、発作が改善するまで行います。

改善しない場合は、β2刺激薬1錠またはテオフィリン薬を頓用します。

3回繰り返しても改善しない場合は、医療機関を受診して中発作の治療を行います。

改善しなければ、中発作の治療を行います。

中発作

中発作の場合は、医療機関を受診して治療します。

  • 短時間型β2刺激薬の吸入を1~2回行い、続いて全身性ステロイド投与を行います。
  • アミノフェリン点滴静注(1時間程投与)
  • 副腎皮質ステロイドの点滴静注
    (ハイドロコージゾン100〜500mgまたは、メチルプレドニゾロン40〜125mgを1時間かけて投与)
  • 鼻カニューラにより1~2L/分の酸素吸入
  • 短時間型β2刺激薬の反応が少ない場合は、アドレナリンを皮下投与します。

1時間で症状が改善すれば帰宅可能。反応が悪い場合は入院して大発作の治療を行います。

大発作

治療

  • アミノフェリンの持続点滴(5~7時間投与)
  • 短時間作用型β2刺激薬の吸入
  • 副腎皮質ステロイドの投与
  • 酸素吸入
    SpO₂>90%になるように管理する。
  • アドレナリンの皮下投与

補足 テオフィリンは、気管支を広げる効果があります。ただし、血中濃度の安全域が狭いので中毒症状に注意しながら投与する必要があります。

テオフィリン,抗コリン剤とは?(気管支拡張薬の紹介)

人工呼吸

適応条件
自発呼吸にてSpO2<90%、PH>7.2を達成できない場合に、気管挿管での人工呼吸器を行います。

  • 呼吸停止
  • 心停止
  • 低酸素欠症の持続
  • 意識障害

設定

気管挿管

一回換気量:5〜8ml

喘息発作の治療まとめ

小発作では、β2刺激薬の吸入、テオフィリン薬の屯用

中発作では、β2刺激薬の吸入、アミノフェリン点滴、全身ステロイド、酸素吸入、アドレナリン

大発作では、さらに、

 


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