気管支喘息の診断と重症度の判定法とは(気道可逆性試験、気道過敏性試験について)

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はじめに

気管支喘息が疑われた場合は、気道可逆性試験により喘息の有無を診断します。さらに、気道過敏性試験では、喘息の重症度について調べることができます。今回は、それぞれの検査について、簡潔に紹介します。

 

気道可逆性試験

気道可逆性試験は、気管支喘息の診断を行う検査です。

方法は、β刺激薬の吸入前と、吸入後の1秒量を比較して、β刺激薬を吸入することによりどの程度、1秒量が改善するかを確認します。

改善率は以下の計算式で求めます。

改善率(%)={(負荷後1秒量-負荷前1秒量)/負荷前1秒量 }×100

この式の負荷というのは、β刺激薬を吸入するということです。

改善率が12%以上かつ1秒量が200ml以上に改善された場合、可逆性ありと判定し、気管支喘息の可能性が高いと診断されます。

 

気道過敏性試験

気道過敏性試験は、気管支喘息の重症度の判定に使用されます。方法は、以下の2つの方法があります。

標準法(段階法)

段階法とは、アセチルコリン、メサコリン、ヒスタミンなどの気道の収縮を誘発する薬剤を薄い段階から段階的に濃い濃度まで舐らいざにて吸入して、その時の1秒量がどのように変化するかをスパイロメータで測定する方法です。

吸入前の1秒量と比較して、20%以上低下するときに吸入した薬液濃度を閾値といいます。喘息患者では、健常者と比較して薄い濃度の薬剤で閾値に達します。

ただし、注意しなければならないのは、この測定方法は、発作を誘発する検査なので、十分に注意しながら行う必要があります。また、高度な呼吸機能の以上がある患者では危険であるため行えません。

アストグラフ法

アストグラフ法とは、Chest社製のアストグラフという装置を使用して測定する方法です。

方法としては、安静呼吸で薬剤を吸入しながら呼吸抵抗を連続的に測定します。呼吸抵抗が上昇し始める時点までに吸入した薬剤の蓄積量により、喘息の重症度を判定します。

アストグラフ(chest社製)

 

(Chest社HPより)

(参考文献)
3学会行動呼吸療法認定士認定講習会テキストP83


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