用手気道確保の方法
気道確保には、咽頭鏡などの道具を使用して、気管挿管する気道確保と、道具を使わないで、素手だけで気道確保を行なう用手気道確保の2つに分類することが出来ます。今回は、用手気道確保の代表的な『頭部後屈顎先挙上』と『下顎挙上』について紹介します。
それでは、さっそく紹介します。
頭部後屈顎先挙上(おとがい挙上法)
頭部後屈顎先挙上とは、頭部を後ろに引いて、顎先を上側に持ち上げることにより、気道を確保する方法です。単に、頭部後屈法と呼んだり、おとがい挙上法と呼んだりする場合もあります。
人は、事故や麻酔などにより意識を失った状態では、舌根沈下が起こり、気道が塞がってしまいます。その為、これらの気道確保を行ない気道が塞がれるのを防ぎます。
ただし、注意しなければならない点として、頭部後屈顎先挙上では、頭部を大きく後ろに曲げるため、交通事故や損傷などで頚椎などを痛めている可能性がある場合は、怪我を更に悪化させてしまう恐れがあります。そのような場合は、以下に紹介する、下顎挙上を行ないます。
下顎挙上
下顎挙上は、頭部を動かさないで下顎を動かして、起動を確保する方法です。
災害現場や交通事故など頚部の損傷が考えられる場合は、こちらの方法を実施します。
方法としては、下顎を上顎より突き出すように、第1指で頬を固定し、第4、5指で下顎角を持ち上げます。
(参考文献)
日本財団図書館
第20回3学会合同呼吸療法認定士 認定講習会テキスト
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